投資信託(つみたてNISA除く)の運用状況
毎月恒例の投資信託(つみたてNISA除く)の運用成績を公開します。
- 投資信託の運用成績を知りたい人
- これから投資を始める人
- 時間をかけずに投資をしたい人
つみたてNISAとiDeCoは掛金額の上限まで投資しているため、残りの資金は投資信託で運用しています。
投資信託の積立設定は以下のような感じです。つみたてNISAも含めると、毎月20万円の投資信託を購入しています。
元々は毎月10万円の設定ではありましたが、2022年から5万円増額、2022年12月から更に5万円増額しました。また、下落局面で資金に余裕があればスポットで追加投資も行っています。
定期積立をしている投資信託は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」です。
Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)は、2022年12月から新規に定期積立を開始しています。ちょうど株価の下落局面&円高ドル安であったこともあり、スポットで追加投資をしている最中です。
なお、つみたてNISAを利用していない場合には、まずはつみたてNISAで投資信託を運用してみましょう。年間40万円まで運用益が非課税で投資可能です。
つみたてNISAは運用益が20年間課税されないなど、長期投資に向いた制度です。まずはつみたてNISAで運用し、資金に余裕があればiDeCoもしくは特定口座で投資信託を追加で運用してみましょう。
特定口座は通常の証券口座であり、運用益の約20%が税金として徴収されます。この税金が非課税になるのがつみたてNISAの口座です。
つみたてNISAの運用成績も公開しているので、以下の記事を参考にしてください。
【運用35か月目】投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは?
1つ目の投資信託は、 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
この投資信託は、つみたてNISAでも投資しています。
この投資信託は、①管理費用が0.09372%と格安 ②世界最強の株価指数であるS&P500に連動 などの特徴があります。
インデックス投資を検討する際に絶対に外せない投資信託の1つです。
S&P500は米国の大型株500社から構成される指数です。S&P500にはGAFAMも含まれているので、成長著しい銘柄にも投資しています。
2022年になってからはGAFAMなどのハイテク企業の株価が下落してやや勢いに陰りがありますが、長期で見れば右肩上がりの成長が期待できます。
2020年のコロナショック以降はきれいな上昇を描いていたところ、2022年からは相場が荒れ始めたことがわかります。
S&P500は下落の一途をたどっていますが、円安ドル高の影響もありさほど下落していなことも読み取れます。
※「為替ヘッジ無し」の投資信託は為替の影響を大きく受けるので、現在とは逆に円高ドル安が進行すると資産額は減少します。
2022年はインフレや原油価格の高騰、長期金利の急騰など世界中の株式市場が低迷しました。株式相場も上下の動きが激しく投資初心者には厳しい環境だったといえます。
2023年になってからも上下を繰り返しながら停滞し、2023年4月くらいから上昇しています。
忘れてはならないのが、下落相場は投資信託を安く買うチャンスでもあることです。2023年6月に入ってから株式市場は絶好調の展開になっており、下落相場時に投資した分が大きな含み益になっています。
その後8月から現在ではそれまでの上昇トレンドがやや停滞しています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の積立設定
それでは、積立設定を確認していきましょう。
最初は毎月16,667円を積立していました。つみたてNISAも含めると毎月5万円の積立設定でした。
2022年2月からはさらに5万円を追加投資しています。また、相場の下落局面ではスポットで投資しています。そして2023年6月からさらに5万円追加で設定しています。
現在は毎月15万円(つみたてNISA含む)になります。
【運用35か月目】投資信託 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは?
2つ目の投資信託は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
この投資信託は、①管理費用が0.1133%と格安 ②米国だけではなく全世界に投資 などの特徴があります。
投資対象は、約6割は米国、残り4割は日本・欧州・中国などです。主要な国はほぼカバーしているといえます。
この投資対象の比率は時価総額加重で決めているため、米国の株式時価総額が大きくなれば、米国の投資割合も大きくなります。
一方で、米国の株式相場が低迷した場合には、相対的に米国の時価総額が低下するため米国以外の投資割合が増えます。
投資対象国の比率が自動でリバランスされるのがオール・カントリーの特徴です。米国だけでは心配だという人であれば、オール・カントリーを選ぶと良いでしょう。
オール・カントリーとS&P500のどちらの投資信託にするか明確に決められない場合は、管理人のように半々に投資するのも良いでしょう。
そして米国株が約6割を占めることから、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と同じ右肩上がりのチャートになります。こちらも6月になってからついに上昇トレンドに転換しつつあります。
「米国一強の時代は長く続かない」「人類の成長に期待したい」という場合には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を選ぶと良いでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の積立設定
それでは、積立設定を確認していきます。
オール・カントリーは毎月50,000円を積立しています。
毎月いくら積立するかは、リスク許容度や生活防衛資金に応じて調整しましょう。相場の下落時にハラハラしてしまうようであればリスクの取り過ぎです。
また、生活防衛資金として1年から2年分の生活費を現金で用意しておくと良いでしょう。仮に下落局面で現金が必要になった際に、含み損を抱えたまま売却してしまうことは絶対に避けたいところです。
生活防衛資金が一定以上あれば当面の生活に困ることは無く、安心して積立投資を継続できるはずです。
【運用10か月目】投資信託 Tracers S&P500配当貴族インデックス
Tracers S&P500配当貴族インデックスとは?
3つ目の投資信託は、Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)です。
この投資信託は、①管理費用が0.1155%と格安 ②S&P500のうち25年以上連続増配の銘柄に投資 などの特徴があります。
投資対象となる銘柄は、以下の採用基準で選ばれます。
- S&P500指数の構成銘柄
- 25年以上連続増配
- 時価総額が30億米ドル以上
- 1日当たりの平均売買代金が500万米ドル以上
4つの採用基準のうち、①②だけ覚えておけば良いでしょう。つまり、「25年以上連続増配をしている米国の大型株で構成されている」というわけです。
現在の銘柄数は65銘柄であり、これらに均等に投資しています。1銘柄当たり約1.5%の比率になります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)では、時価総額加重平均を採用しているのとは対照的です。
S&P500とオール・カントリーはGAFAMなどのグロース株が(現時点では)多いのが特徴です。個人的にはグロース株よりも連続増配するようなバリュー株が好きなため、グロース株を含まないTracers S&P500配当貴族インデックスに投資しています。
「連続増配」に着目した投資信託ではありますが、配当金はでません。そのため、配当金狙いの投資家には向いていないので注意が必要です。
連続増配企業に投資したい、かつ配当金は再投資に回して投資効率を最大化したいという場合にはうってつけの投資信託になります。
配当金が出てしまうと税金が引かれてしまい投資効率が下がることから、配当金が出ない投資信託は投資効率が高くなる傾向があります。
現在のパフォーマンスを見てみると、設定日が浅いこともありマイナスのリターンで推移しており、ようやく最近になってプラスに転換しています。3月に底を打ってから上昇トレンドを継続しているのでこのまま上がっていってほしいところです。
なお、S&P500と比較してもリターンは遜色がありません。S&P500(VOO)とS&P500配当貴族指数(NOBL)に連動するETFで比較してみましょう。
実際に比較してみると、ほぼ同じようなリターンが得られています。コロナショック後は政策金利の低下を背景にハイテクを含むS&P500が大きくアウトパフォームしていますが、現時点では同程度のリターンに収束しています。
投資する上で王道なのは時価総額加重平均のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)になります。
しかし、グロース株よりもバリュー株に投資したい(割合を高めたい)という場合には、Tracers S&P500配当貴族インデックスが選択肢の1つになるでしょう。
特に金利が高止まりすることが予想される今後数年間はハイテク株よりもバリュー株が強い動きをするのではと考えています。
Tracers S&P500配当貴族インデックスの積立設定
それでは、積立設定を確認していきます。
S&P500配当貴族インデックスは毎月50,000円を積立しています。それ以外では下落があったときにスポットで多めに購入してるところです。
12月から投資を開始しましたが、そこから下落トレンドが継続しています。ここが買い時と判断し、余剰資金を随時投入しています。
基本的にはドルコスト平均法で投資していく予定です。しかし、下落局面(=バーゲンセール)ではタイミングを見て追加投資します。
【運用35か月目】投資信託運用成績 評価益+761,843円(累計評価額:5,711,855円)
2023年10月の投資信託運用成績(運用35か月目)の報告です。
35か月目の運用成績は、+761,843円(+15.3%)でした。先月と同程度のリターンが得られています。
それでは運用成績を投資信託別に確認していきます。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用成績
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用成績は以下のとおりです。
9月と比較するとリターンはやや減少しています。
9月から米国の株式市場が下落傾向にあります。10月現在もそれが継続しており、S&P500のリターンも低下しています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用成績
次に、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用成績は以下のとおりです。
こちらもS&P500と同様に9月と比較するとリターンはやや減少しています。
オール・カントリーの約60%は米国が占めることから、S&P500とほぼ同じような値動きをするのが通常です。
今後10年間は米国以外の国でリターンが高くなると予想されています。オール・カントリーのパフォーマンスがS&P500を上回るか注目ですね。
Tracers S&P500配当貴族インデックスの運用成績
次に、Tracers S&P500配当貴族インデックスの運用成績は以下のとおりです。
9月と比較するとリターンは減少しています。S&P500とオルカンが約1%の下落であったのに対して、約4%の下落と比較的大きかったです。
この投資信託は、運用開始してから10か月しか経過していません。運用開始後に米国株の不調&円高の影響もあり、含み損を抱える期間が多かったです。
しかし現在は含み損も解消され、下落局面で買い増ししたことや株価が上昇したことからリターンもプラスに転じています。
個人的には2010年代にブームになったハイテク株は今後勢いがなくなると予想しています。ハイテクを含まない配当貴族インデックスが2020年代中盤から底力を発揮する、そのような展開を迎えるのではないでしょうか。
そういった背景もあり、Tracers S&P500配当貴族インデックスには期待しています。
最近の相場環境
2022年は株式市場が非常に不安定でした。2023年に入ってから1月は上昇トレンド、2月は横ばい、3月は下落、4月には持ち直し、7月まで上昇トレンドが継続していました。しかし、8-10月と下落トレンドに反転・継続していて株価が軟調な展開です。
しかし、今振り返ってみると、不安定な相場環境時に投資を継続したことがリターンにつながっています。株価が下がったときに投資をすれば、その分だけ多くの投資信託を購入することができます。
投資信託は「どの投資信託にいくら投資するか」を1度設定すれば自動で投資してくれるのが便利です。
いわゆる「ドル・コスト平均法」で機械的に投資できるのが投資信託の強みです。下落相場では投資に躊躇してしまいがちですが、その心配もありません。
さらに余裕があれば下落局面で追加投資するのも良いでしょう。
また、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などのように広く分散投資する投資信託であれば、個別株のように企業の決算分析や株価チャートの確認もほぼ不要です。
優良な投資信託を最初に選ぶことができれば、後はひたすら積立投資を継続するだけ資産形成ができます。
投資信託は初心者におすすめと言われる理由はここにあります。投資初心者やこれから投資を始める人は、投資信託での投資を検討してほしいですね。
まとめ
投資信託(つみたてNISAを除く)の運用成績を公開しました。
2023年10月現在は、米国株は下落トレンドが継続し、株式市場がやや低迷しています。数か月前に比べるとリターンも低下しています。
来月は11月になります。10月は株価が底入れする時期としても知られている一方で11月-12月はそこから反転する時期として知られています。
しかし、下落が続いていても気にせず投資を継続します。下落は安く投資する絶好のチャンスでもあります。何よりも投資を継続すること、これこそが最も大切なことですね。