楽天証券では買付手数料無料の米国ETFが9銘柄ある【第2回目】
楽天証券に限った話ではありませんが、一般的に日本の証券会社で米国ETFを購入する際には買付手数料がかかります。
楽天証券では通常は約定代金の0.495%(上限22米ドル)の手数料が必要になるのですが、楽天証券が指定する米国ETF9銘柄は買付手数料が無料です(2021年5月5日現在)。
投資をする上では手数料などのコストを如何に抑えるかは重要な要素になります。買付手数料が無料ということはその分だけ投資のリターンを高めることができ、利用しない手はありません。
しかもありがたいことに、9銘柄中6銘柄が経費率が安く汎用性のあるETFです。これを組み合わせるだけでポートフォリオを組めるくらい充実したラインナップになっています。
前回は、VT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)を解説しました。まだ読んでいない人は、下記の記事も参考にしてください。
今回は、VOO(バンガード S&P500ETF)とSPY(SPDR S&P500ETF)を解説していきます。
VOO(バンガード S&P500ETF)とSPY(SPDR S&P500ETF)~S&P500に連動するETF~
VOOとSPYの概要
VOO(バンガード S&P500ETF)とSPY(SPDR S&P500ETF)は、どちらもS&P500に連動するETFです。S&P500は米国の大型株500銘柄で構成される指数で、VOOやSPYに投資するだけで米国の市場時価総額の約80%をカバーしています。
米国は世界一の経済大国です。今後数10年間にわたって人口増加が予想されており、これからも高い経済成長を見せてくれるでしょう。その米国の中でも厳選された500銘柄に投資すれば、高い確率で資産を増やしてくれるはずです。
経費率は、VOO:0.03% SPY:0.09% とVOOの方がやや経費率が安くなっています。VOOの場合では100万円を運用しても年間で300円しか経費がかかりません。しかも楽天証券であれば、買付手数料も無料です。
VOOとSPYの経費率の差は0.06%です。これを大きな差と捉えるかどうかですが、100万円を投資して600円の差であればほぼ誤差の範囲内だと思います。
ちなみに、SPYは米国初のETFということで運用期間がVOOよりも長く歴史があります。SPYは設定日が1993年1月22日、VOOは設定日が2010年9月9日と運用期間が異なります。
チャート~VOO~
VOOのチャートは、以下のとおりです。ここ10年くらいは、右肩上がりで推移しています。
直近1年間のリターンは51.77%とコロナショック後の急回復による影響で歪な値になっていますが、直近10年間では14.31%と15%近いリターンが得られています。
チャート~SPY~
SPYのチャートは、以下のとおりです。ここ10年くらいは、右肩上がりで推移しています。
直近1年間のリターンは47.80%とコロナショック後の急回復による影響で歪な値になっていますが、直近10年間では14.16%と15%近いリターンが得られています。
VOOとリターンはほぼ同じという結果になっています。SPYの方が運用期間が長いこともあり、チャートの形状がやや異なっているように見えています。
チャート~VOO vs SPY~
VOOとSPYのチャートを比較(過去5年間)してみました。チャートの形状がほぼ一致していることが分かります。
経費率にやや差があるとはいえ、同じS&P500に連動する運用を目指しているためリターンはどちらのETFが優れているとは明確にはいえない結果になっています。
購入対象者
投資初心者で何を買っていいかわからないという状態であれば、VTと同様に最初に検討すべきETFだと思います。
VTのように全世界に投資すると経済成長しない国にも投資しなければならず、投資効率が低下してしまいます。米国だけに投資することで安定してもっと高いリターンを得られるはずだというシナリオを描いているのであれば、VOOやSPYに投資するのが良いでしょう。
米国が世界一の経済大国であるため投資の対象から外すことはできません。VOOやSPYで投資を始めてみて投資の勉強や経験を積みつつ、好みのETFや個別株を追加で購入していき自分なりのポートフォリオを作成してみるのも1つの戦略です。
まとめ
それでは、VOOとSPYのまとめです。
投資対象:米国の大型株500社(S&P500に連動)
経費率:0.03% or 0.09%(100万円投資しても300円 or 900円)
チャート:右肩上がりで成長
リターン:約14%(直近10年)
比較結果:VOOとSPYで大きな差は無い
次回は、VTIについて解説していきます。