学究社(9769)~定時株主総会の案内が届きました~
学究社(9769)から定時株主総会の案内が届きましたので紹介していきます。
事業内容
学究社(9769)は、東京都内を中心に学習塾を展開しています。以前に紹介した早稲田アカデミーと比較すると、全国的な知名度は低い印象があります。
というのも今回調べて分かったのですが、学究社が展開する「ena」という学習塾はほとんどが東京都内にあります。
下の図は「ena小中学部」と「ena最高水準」の校舎の位置になりますが、ほんの一部が神奈川県相模原市や川崎市に展開しています。
つまり、東京都内に強みのある学習塾ということで全国的な知名度はあまりないというわけです。ただ、都内には多くの教室があることから、都民なら知らない人はいないくらい有名な学習塾なのかもしれません。
それでは、学究社が展開する学習塾を見ていきましょう。決算説明資料に分かりやすい図があったので引用しました。
大きく分けて、「集団授業」と「個別指導」の2つがあります。
中学~大学受験を対象とした一般的な学習塾、芸大・美大・看護医療系を対象とした専門的な学習塾、そしてネット指導の家庭教師と幅広く展開しています。
東京都に集中的に展開しながらも、対象とする生徒は幅広く様々なニーズに応えるブランドを構築しています。非常にメリハリの利いた経営戦略をとっているなという印象を受けました。
次に、売上高の推移を見ていきます。
売上高は、第43期から第46期(2020年度)までは右肩上がりで第46期は過去最高の売上高になりました。
少子高齢化社会で子供の人数が減っている中で売上高が増加しているのは、幅広いニーズに対応したブランド戦略が効いているのでしょう。しかも、コロナ渦にもかかわらず過去最高の売上高になったというのは、ピンチをチャンスに変えてビジネスを展開できたのではと思います。
経常利益は、きれいな右肩上がりとは言えませんが増加しています。第46期はこちらも過去最高の経常利益になりました。売上高を伸ばす一方で、広告宣伝活動や業務の効率化などにより経費削減に取り組んだ結果と言えそうです。
当期配当金:3,000円(年間配当金:6,500円)
当期の配当金(100株)は3,000円でした。年間配当金は6,500円と前期から500円の増配です。
過去の配当金推移を見てみると、2015年度から6000円で推移していましたが、2020年度は6500円と増配しています。過去最高の売上高と経常利益となったころもあり、株主還元のために配当金を増配したというわけです。
配当性向は、70%前後で推移しています。とても高い配当性向になっているのが気になりますが、これまでも高い配当性向で配当金を出し続けてきているので、株主還元意識の高さともとらえることができます。
高い配当性向を「株主還元意識の高さ」とみなすか「減配の兆候」と考えるかは、判断が分かれるところです。今回の増配を考慮すると、「株主還元意識の高さ」を物語っているのではと個人的には想像します。
配当利回り:4.8% 評価益:2,500円 +QUOカード1000円
2020年度の配当利回りは、4.8%でした。今回は増配したこともあり、高い配当利回りです。日本株では高配当株投資を実践しているので、配当利回り4%越えは十分に達成しています。
それと株主優待としてQUOカード1000円がもらえます。100株以上でその権利が獲得できるので、投資するなら100株がおすすめです。
QUOカードも含めた配当利回りは、5%越えです。しかも配当金と違って税金がかからないこともあり、そういった面でも株主優待はお得な感じがします。
それではどれくらい投資しているかというと、1320円で100株購入しています。1345円まで株価が上昇したことから、評価益も+2500円と含み益になっています。
それではチャートを見ていきましょう。
コロナショック直前では1400円を超えていましたが、コロナショックにより一時1000円を割り込むこともありました。その後も、1000円から1100円の間でボックス相場のような形になっています。
1回目の緊急事態宣言の時期には、学校も含め塾なども授業ができないというニュースが流れていました。そういった影響もあり、業績が不安視されていた面もあったのでしょう。もちろん、ワクチンが開発される前の時期でしたので、日本株全体が軟調な期間でもありました。
その後は急激に株価が回復し、コロナ前の水準にまで回復しています。
今後の方針
配当利回りが4.8%と高配当でありかつ株主優待のQUOカードがもらえることから、このまま保有します。
ここ数年は業績も右肩上がりで過去最高の売上高と経常利益を叩き出すなど、コロナ渦においても経営は順調といったところでしょう。
ただ、高い配当性向には注意が必要かもしれません。株主還元意識の高さにありがたさを感じつつも、経営に過度の影響を与えかねないために今後も注視しておく必要があります。