「頭と尻尾はくれてやれ」の意味
投資の格言
投資を始めてから知ったのですが、投資の世界にも様々な格言があります。
投資という厳しい世界を生き抜いてきた人たちが語り継いできた格言には、個人投資家である我々が学ぶべき点が多いです。
格言のとおりに投資をすれば必ず成功するわけではありませんが、投資判断に対するエッセンスになったり、投資戦略を見直すきっかけになるのではないかと思います。
それでは、投資の格言について勉強していきましょう。管理人なりの解釈も加えているので、その点はご了承ください。
今回は投資の格言シリーズ第2弾になります。第1弾では「麦わら帽子は冬に買え」を解説していますので興味があれば下記の記事もご覧ください。
頭と尻尾はくれてやれ
今回解説するのは、「頭と尻尾はくれてやれ」という格言です。
投資の世界ではかなり有名な格言とのことですが、どのような意味があるか想像できますでしょうか。
この格言は、高配当株投資のように配当金狙いの投資よりは、株価値上がりの売却益を狙う投資家はぜひとも知っておくべきものです。
最初に意味を書いてしまいますが、頭(底値)で買って尻尾(天井)で売ることができると思うなと教えてくれています。
より実践的に意味を捉えなおしてみると、頭(底値)から少し上昇したことを確認してから買い、 尻尾(天井) から少し下落したところで売りなさいということです。
管理人も経験があるのですが、過去の株価チャートを見ていると、あの時に買ってこの時に売っていれば簡単にいくら儲けることができたと考えてしまうことがあります。
実際に自身が売買して損益を確定させた株であれば、なおのことそのような考えは強くなります。
ただ、過去の株価チャートを見て売買タイミングをあれこれ議論するのは簡単なのですが、自分が株を買った時点で底値かどうかは分からないのです。
同じように自分が株を売却した時が天井かどうかは分からないのです。
あくまでも後日振り返った時に、売買タイミングが底値と天井だったかどうか答え合わせができるのです。
この格言が投資家に伝えたいのは、株価の正確な予測はできないことを認識した上で頭(底値)と天井(高値)をピンポイントで狙って投資をするなということです。
底値を狙って買う(天井を狙って売る)リスク
とはいえ、株価の正確な予測はできなくとも、底値で買おう(天井で売ろう)とすること自体はそれほど悪くない考え方のような気がします。
ただ、そこには大きな落とし穴があるのです。実際に例を見て考えていきましょう。
管理人が先日スイングトレードに挑戦したマルイグループの6か月株価チャートになります。
仮に底値で買って天井で売ろうとした場合に、どれだけ難しいのでしょうか。
底値(紺●)と天井(赤●)を株価チャートに表示してみました。
底値と天井は共に1-2日程度で終わっており、そこからすぐさま上昇もしくは下落していることが分かります。
少し見にくいですが、 底値(紺●)と天井(赤●) を黄色矢印で結んでみました。
株価値上がりの売却益を最大化するには、底値(紺●)で買って天井(赤●)で売るという流れで取引する必要があります。
はたしてこんなピンポイントを狙った投資をすることができるかというわけです。これは実際にやってみると分かるのですがほぼ不可能です。
そして底値を狙って買うリスクとしては、買った後に更に株価が下落する可能性があります。底値で買えたと思っても、そこが底値ではなくさらに株価が下落し、含み損を抱えてしまいます。
一方で天井を狙って売るリスクとしては、売った後に更に株価が上昇する可能性があります。天井だと思って売ったとしても、そこからグングンと株価が上昇して本来得られたであろう利益が小さくなります。
天井になったことをしっかりと確認してから売却するのでも遅くは無いのです。一般的には、天井からやや下落し始めてから利益を確定したほうが利益が出ると言われています。
つまり、「頭と尻尾はくれてやれ」というわけです。一見損な投資法に見える面もありますが、実際にはリスクを抑えつつリターンを大きくすることができる考え方なわけです。
まとめ
今回は、「頭と尻尾はくれてやれ」という格言について解説しました。
株式投資をしていると、底値で買って天井で売ることで利益を最大化させようと考えてしまいます。
ただこの考え方では、底値で買おうとしたがそこから更に株価が下落してしまうといったリスクや天井で売ろうと思って少ない利益確定をしてしまうというリスクがあります。
損は小さく、利益は大きくというのが株式投資の原則です。
頭と尻尾をくれてやることで一見損しているように見えますが、実はこの考え方こそがリスクを抑えつつリターンを大きくすることできるというわけです。
管理人もスイングトレードをする際には、「頭と尻尾はくれてやれ」を意識して取引していきたいです。