楽天証券では買付手数料無料の米国ETFが9銘柄ある【第6回目】
楽天証券に限った話ではありませんが、一般的に日本の証券会社で米国ETFを購入する際には買付手数料がかかります。
楽天証券では通常は約定代金の0.495%(上限22米ドル)の手数料が必要になるのですが、楽天証券が指定する米国ETF9銘柄は買付手数料が無料です(2021年5月5日現在)。
投資をする上では手数料などのコストを如何に抑えるかは重要な要素になります。買付手数料が無料ということはその分だけ投資のリターンを高めることができ、利用しない手はありません。
しかもありがたいことに、9銘柄中6銘柄が経費率が安く汎用性のあるETFです。これを組み合わせるだけでポートフォリオを組めるくらい充実したラインナップになっています。
前回は、GLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)を解説しました。まだ読んでいない人は、下記の記事も参考にしてください。
今回は、これまでに紹介した「VT」「VOO」「VTI」「SPY」「RWR」「GLDM」を用いて初心者向けのポートフォリオを作成してみたいと思います。
ポートフォリオのコアを決める~全世界 vs 米国(全体)vs 米国(S&P500)~
全世界 vs 米国(全体)vs 米国(S&P500)
まずは、ポートフォリオのコアを決めていきましょう。
ポートフォリオのコアになるETFは、「VT」「VTI」「VOO」「SPY」の4つになります。
このうち、VOOとSPYはS&P500に連動するほぼ同じETFです。しかし、経費率はVOOの方が安いため、SPYはポートフォリオのコアには採用しません。
よって、ポートフォリオのコアになるETFは、「VT」「VTI」「VOO」の3つから選びます。
どのETFも優れているので甲乙つけがたいのですが、投資対象が異なるためシナリオ毎に場合分けして考えてみましょう。
VTに投資すべき人は、全世界に投資したいもしくは米国以外にも投資したいという人です。
ここ10年くらいは米国株式市場が絶好調でした。しかし、どの国の株式市場が上昇するかは全く読めないし、今後は米国以外の国が成長するのではと予想している場合には、VTで決まりです。
VTIとVOOに投資すべき人は、米国にだけ投資したいという人です。
米国は世界一の経済大国で、今後も人口増が見込めることから経済発展が続いていくと予想されます。
全世界に投資すると発展しない国にも投資することになり、それでは投資効率が悪くなってしまうと考えている場合は、VTIもしくはVOOで決まりです。
ではVTIとVOOのどちらに投資すべきでしょうか。
基本的には、両者にはリターンに大きな差は無いのでどちらを選んでも構わないのですが、米国全体もしくは米国S&P500のどちらに投資したいかで決めると良いでしょう。
VTIに投資すべき人は、米国に投資したいかつ小型株から大型株まで満遍なく投資したいという人です。
VOOに投資すべき人は、米国に投資したいかつS&P500を構成する大型株にだけ投資したいという人です。
ETF名 | 投資対象 | 投資の考え方 |
VT | 全世界 | 全世界に投資したい・米国以外にも投資したい |
VTI | 米国(全体) | 米国に投資したい(小型株から大型株) |
VOO | 米国(S&P500) | 米国に投資したい(主要な大型株) |
全世界に投資すべきか米国に投資すべきかは、どちらが正解かは現時点では知ることができません。
ご自身が納得するシナリオを想定し、全世界に投資するならVT、米国のみに投資するならVTIもしくはVOOにするというのが1つの考え方です。
ポートフォリオのサテライトに金と米国リートを組み入れる
さてポートフォリオのコアが決まったら、次はサテライトです。
金ETFのGLDMをポートフォリオに加えると、相場暴落時のディフェンシブさを発揮してくれます。ただ、金自体は配当金を生み出さないので10%を限度に投資することにします。
米国リートのRWRをポートフォリオに加えると、投資対象の幅が広がります。また高配当ETFでもあるので配当金も魅力的です。しかし、暴落耐性が無いので5%を限度に投資することにします。
楽天証券の買付手数料無料の米国ETFで初心者向けポートフォリオ案を作成してみた
これまでの条件を表に整理しました。ポートフォリオ案は以下のとおりです。
VT(VTI・VOO)は、90-100%の割合で投資します。ポートフォリオのコアになるので割合は高くしてあります。
サテライトには、GLDMとRWRでそれぞれ10%と5%を投資上限とします。
コア | VT or VTI or VOO | 90-100% |
サテライト① | GLDM | 0-10% |
サテライト② | RWR | 0-5% |
楽天証券の買付手数料無料の米国ETFで初心者向けポートフォリオ案を作成してみました。この案がどれだけ有用なリターンを収めるかは検証しなければなりません。
そこで次回は、過去10年のデータを用いてリターンを算出してみようと思います。