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投資初心者は投資信託から始めるべき②~インデックスファンドを解説~

投資信託はインデックスファンドがおすすめ

投資初心者には、どのような投資信託(ファンド)が適しているのでしょうか。結論から申し上げますと、インデックスファンドになります。

インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの指数(インデックス)に連動することを目指して運用する投資信託のことです。一般的に、インデックスファンドは保有コスト(信託報酬)が低く、長期運用に向いています。

一方で、ある特定の指数(インデックス)を上回る運用成績を目指す投資信託は、アクティブファンドと呼ばれます。つまり、インデックスファンドの運用成績を上回るようにファンドマネージャーが運用するということです。一般的に、インデックスファンドに比べて保有コストが高くなり、中上級者向けの投資手法になります。また、必ずしもインデックスファンドを上回る運用成績になるわけではありません。

まとめると、投資初心者は、保有コストが安く運用方針が比較的分かりやすいインデックスファンドを選ぶことをおすすめします。

100点の運用成績にはならないけれど、常に70点くらいの運用成績を出すことができるインデックスファンドは、投資初心者が最初に投資対象とすべき投資信託ということです。

インデックスを理解して投資することが重要

では、インデックスファンドであればどんな投資信託でも良いかというと、そういうわけではありません。

上述したように、インデックスファンドは特定の指数に連動することを目指す運用であることから、優れた指数かを見極める必要があります。指数と連動した運用成績を得られたとしても、その指数自体がいまいちであれば、運用成績も残念な結果になってしまいます。

そこで、初心者におすすめの指数について紹介していきます。下の表に代表的な指数とその指数に連動する投資信託をまとめてみました。

指数(インデックス)指数の説明投資信託
CRSPトータル・マーケット・インデックス米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする指標楽天VTI
S&P500米国株式市場の大型株500銘柄で構成される指数eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス全世界株式市場の約7400 銘柄で構成される指数楽天VT
代表的な指数(インデックス)

投資のシナリオから投資信託を選ぶべき

それでは、実際に投資信託を選ぶときのことを考えてみます。

まずは、自身の投資のシナリオを考えてください。

例えば、「これからも米国は世界一の経済大国で米国中心に資本主義は発展していく」というシナリオを皆さんがイメージしていたとします。その場合に選ぶべき投資信託は、「楽天VTI」もしくは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」になります。

もちろん、全世界に投資する「楽天VT」にも米国の株式が当然組み込まれているのですが、米国の割合は60%弱で残りの30%強は米国以外になります。先ほどのイメージに戻りますと、「これからも米国は世界一の経済大国で米国中心に資本主義は発展していく」ということでしたよね。そうであれば、米国の割合が100%である「楽天VTI」もしくは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を選択する方が、投資のシナリオに沿った投資信託といえます。

では、「楽天VTI」もしくは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のどちらを選択すればよいのでしょうか。この問いに対して正確に答えるためには、先程のシナリオ「これからも米国は世界一の経済大国で米国中心に資本主義は発展していく」だけでは不十分なのです。

ここで、指数についてもう一度詳しく見ていきます。

「楽天VTI」は、「米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする指標」ということで、大型株だけではなく、中型・小型株も含んでいます。

一方で、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、「米国株式市場の大型株500銘柄で構成される指数」ということで、大型株しか含みません。

つまり、大型株以外に中型・小型株を含むかという違いが両者にはあるのです。そして、これが先程のシナリオから抜けていた視点になります。

先程のシナリオに追加してみると、「これからも米国は世界一の経済大国で米国中心に資本主義は発展していく」かつ「米国経済を牽引するのはS&P500を構成する大企業である」ということであれば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の方が投資のシナリオにより忠実な投資信託といえます。

今回は、投資信託はインデックスファンドがおすすめである理由や、指数を理解した上で投資信託を選ぶべき理由を解説しました。

次回は、投資信託をどれくらい買うかについて解説していきます。