前回の復習
さて、前回のまとめを復習してみましょう。
- 東証一部上場企業から市場を代表する225銘柄を選定
- 日経平均株価は値嵩株の影響を受けやすい
- 「値嵩株」は株価の高い株式のこと ⇔株価の低い株式は「低位株」と呼ぶ
- 構成比率の高い上位3銘柄で約25%を占める
前回の記事を読んでいない方は、下の記事から読んでください。
みなし額面とは何か?
日経平均株価は、225社の株価の平均を表しているわけではありません。
単純に計算すると、「日経平均株価=225銘柄の株価の合計/除数」ということになります。
ここで問題になってくるのが、分子の「225銘柄の株価の合計」になります。225銘柄の株価を単純に足し合わせただけだと値嵩株の影響が非常に大きくなってしまうので計算にひと手間加えています。
例えば、株価1万円の銘柄Aと株価100円の銘柄Bで株価の合計を算出すると10,100円になります。これを2で割ってあげると、平均株価は5,050円となります。ここで問題なのが、平均株価であるのに値嵩株の銘柄Aの影響が極めて大きくなってしまうことです。
理想的には、日経平均株価に採用されている銘柄の株価水準が近い値であることが望ましいのですが、銘柄によっては数10倍も株価が異なる場合があり、単純に株価の合計値を除数で割るだけでは適正な数値にならないのです。
そこで、みなし額面という考え方が出てきます。この額面というものは、現在では廃止されていますがかつては各銘柄に額面を設定していました。多くの場合、古い銘柄は50円で新しい銘柄は5万円、中には500円という銘柄もありました。
そして、かつての額面50円以外の銘柄の株価を額面50円に換算したものをみなし額面というのです。つまり、額面が500円や5万円など50円以外の銘柄については、株価をそのまま使用せずにみなし額面で換算した後の株価を使用するわけです。
それ以外にも、分母の除数にも細かい決まり事があるようですが、ここでは割愛します。というか、奥が深すぎて頭の理解が追いつきませんでしたので、もう少し勉強してから記事にします。
海外投資家は日経平均株価を重視しない?
さて、これまで日経平均株価の算出方法や問題点について触れてきました。最後に、海外投資家は日経平均株価を重視しないことについて簡単に書いていきます。
ずばり、海外投資家は日経平均株価よりもTOPIX(東証株価指数)を重視することが多いそうです。
TOPIXについては次回解説していきますが、ここで少しだけ説明します。
TOPIX(東証株価指数)は、東証一部の全銘柄を対象とした株価指数のことです。日経平均株価は225銘柄しか採用されていませんが、TOPIXは東証一部の全銘柄で計算していることから日本の株式市場全体の値動きを表していると言われています。
そして海外投資家は、日経平均株価よりもTOPIX(東証株価指数)を重視して投資をする傾向があるとのことです。たしかに、日経平均株価は値嵩株の影響を大きく受けますし、日本という市場全体を見渡す指数としては適当ではないと私も思います。
ただ、日本人投資家はTOPIXよりも歴史のある日経平均株価で投資判断をする人が多いらしいです。どちらも似ているようで異なる指数であることから、特徴をしっかりと把握しておきたいものです。
まとめ
日経平均株価について2回に分けて説明してきました。これまでのことを簡単にまとめました。
- 東証一部上場企業から市場を代表する225銘柄を選定
- 日経平均株価は値嵩株の影響を受けやすい
- 「値嵩株」は株価の高い株式のこと ⇔株価の低い株式は「低位株」と呼ぶ
- 構成比率の高い上位3銘柄で約25%を占める
- 単純平均ではない(みなし額面で換算)
- 日本人投資家:日経平均株価 海外投資家:TOPIX を重視する傾向
次回は、TOPIXについて解説していきます。