債券とは?
今回は債券について解説していきます。
債券とは、国や民間企業などが発行する有価証券のことです。債券も株式と同様に証券会社等を通じて購入することができます。投資家から資金を集めるために発行するという点では、株式と似ている部分もあります。ただし、株式の購入は株主になる(企業の所有者になる)、債券の購入は企業に資金を貸すという違いもあります。
債券は満期があらかじめ定められており、その期限が来たら額面金額が投資家に返済されます。また、債券を保有している間は一定の利息を受け取ることができ、満期となる償還日には額面金額が投資家に払い戻されます。
つまり、投資家は債券の発行体に対して資金を一定期間提供する(貸す)代わりに利子をもらい、その期限が過ぎたら資金を返してもらうということです。
債券の種類
債券は、発行者によって分類することができます。今回は「国債」「地方債」「社債」の3つについて説明していきます。
国債は、国が発行している債券です。日本国債やアメリカ国債などは聞いたことがあるのではないでしょうか。国債は国が発行していることもあり、安全な金融資産として知られています。ただ、発展途上国や政情が不安定な国の国債はリスクの高い資産になりますので、注意が必要です。
次に、地方債は都道府県や市町村が発行している債券になります。こちらはあまりなじみが無いかもしれませんが、例えば東京都は都債を発行して資金を調達しています。
最後に、民間企業が発行している債券が社債になります。社債は発行体の企業が倒産するなどの場合には返済されない場合があります。また、株式の場合は株主総会での議決権行使などが可能ですが、社債の場合はそういった権利を行使することができません。
国債 | 国が発行する債券 例:日本国債、アメリカ国債 |
地方債 | 都道府県や市町村が発行する債券 例:都債 |
社債 | 民間企業が発行する債券 例:JR債、NTT債 |
債券の利息はリスクに比例する
さて、債券投資は、株式投資に比べて安全性が高い(リスクが低い)という特徴があります。ただし、すべての債権が安全性が高い(リスクが低い)かというとそういうわけではありません。
一般的にはリスクの度合いは、債券の発行体の信用度に大きく依存することになります。
例えば、信用度の高い発行体は債務履行の確実性が高く、利率が低く設定されても購入者を集めることができます。一方で、信用度の低い発行体は債務履行の確実性が低く、利率が高く設定されないと購入者を集めることができません。
つまり、安全性の高い(リスクの低い)債券は利率が低く、安全性の低い(リスクの高い)債券は利率が高いことがほとんどです。そして、この考え方というのはとても重要ですのでしっかりと覚えておきましょう。
以上のことから、債券を選ぶ際にはどの程度のリスクを許容できて、どの程度のリターンを得たいかということを考えなければなりません。これは、株式投資と似たような考え方でもありますよね。
投資では、ローリスクだとローリターンしか得られません。ハイリスクだとハイリターンが得られます。株式だけだとリスクが高すぎるなというときには、株式よりも低リスクの債券をポートフォリオに組み入れるとバランスをとることができます。
まとめ
債券についてまとめました。
- 債券は国や民間企業などが発行する有価証券
- 債券の購入は企業に資金を貸すこと
- 債券の発行体が倒産するなどの場合には返済されない場合がある
- 安全性の高い債券は利率が低い ⇔ 安全性の低い債券は利率が高い
次回も債券について解説していきます。