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全世界に分散投資可能な投資信託を解説~eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)~【後編】

投資対象:日本を含めた先進国23か国・新興国26か国

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCIオールカントリーワールドインデックス(ACWI)という指数に連動する成果を目指す投資信託です。

MSCIオールカントリーワールドインデックス(ACWI)については詳しく解説しませんが、日本を含めた先進国23か国と新興国26か国の大型株・中型株で構成される指数のことです。

つまり、この指数に連動する投資成果を目指すことで全世界に投資可能になるということです。

それでは、投資対象国を具体的に見ていきましょう。

まず先進国では、アメリカ・日本・イギリスが上位3か国です。特にアメリカは全体の6割弱を占めており、全世界を対象とした投資信託といえどアメリカに集中投資しているということは知っておきましょう。

次に新興国では、中国・台湾・韓国が上位3か国です。新興国は全体の約1割しか占めておらず、新興国の割合は少なくなっています。ただ、これらの国が更に経済成長すると比率が大きくなる可能性はあります。

引用:三菱UFJ国際投信

では、組入銘柄を具体的に見ていきます。

組入上位銘柄は、アメリカの企業がほぼ独占しています。これはアメリカの企業は時価総額の大きいグローバル企業が多いことから、当然の結果になります。

上位3銘柄は、アップル・マイクロソフト・Amazonのハイテク企業です。いわゆるGAFAMは上位10銘柄にきっちりとランクインしており、アメリカだけではなく世界を代表する企業であることが分かると思います。

全世界に投資可能な投資信託ではありますが、アメリカのハイテク企業が上位を占めていることは知っておきましょう。

当然、ハイテクブームが去って別のセクターが盛り返してくれば、この構成比率も徐々に変化していきます。5年10年後も同じような構成比率のままになっているかは興味深いです。

引用:三菱UFJ国際投信

リターン:基準価額は2年半で+43%成長(年平均+17%)

それでは、リターンについて見ていきます。

この投資信託は、2018年10月31日から運用開始した投資信託です。運用期間が短いこともあり、過去2年半の運用成績しか確認することができません。

過去2年半のリターン(基準価額の増減)は、なんと+43%です。年率に換算すると、+17%のリターンがあったことになります。

運用開始日の基準価額10,000円が、現在では14,300円を超えています。コロナショック時は基準価額が8,000円程度まで急落しましたが、その後は驚異的な回復を見せています。

ただ、気をつけたいのがこのリターンは今後も長く続く可能性は低いということです。

というのも、コロナショックにより各国政府が金融緩和を実施し、急激な株高になっているのが現在の株式市場と考えられるからです。すでにバブルの様相を呈していると指摘も多数あります。

しかし、本当に現在の全世界の株式市場がバブルなのかは誰にもわからないため、投資信託をドルコスト平均法でコツコツと積み立てていくことは、個人投資家が選択すべき投資戦略の1つだと思います。

私の場合は、直近のリターンはできすぎという事実を頭の中に入れつつ、この上昇相場でも一定の資金を入れて相場の恩恵を享受するというスタイルで投資を続けています。

また、純資産総額も順調に伸びています。特にコロナショック以降は、私自身も含め株式投資を始める人が急増したといわれています。

これだけ増えているということは、個人投資家からも大変人気のある投資信託ということです。実際に投資信託の人気ランキングで上位に来ることが多いです。

さらに純資産総額が大きいほど運用するための経費率(信託報酬)が低下するため、今後も信託報酬の低下が期待できます。

引用:三菱UFJ国際投信

ここまで、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について解説してきました。

全世界が経済成長をすると信じられる人は、まずはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を定期購入してみてはどうでしょうか。