ETFとは
ETFとは、「Exchange Traded Funds」の略です。日本語に訳すと「上場投資信託」と呼ばれ、特定の指数に連動するインデックス型の投資信託が市場に上場しているとイメージしてください。
上場していることから、市場の取引時間中であれば自由に売買できるのが、投資信託との大きな違いです。投資信託の場合は1日に1回基準価額が計算され、売買の注文をした時点では正確な売買金額が分かりません。しかし、ETFでは株式と同様にリアルタイムで金額が分かるため自分の買いたい金額で購入することができます。
ETFの種類によって連動する指数が異なり、東証株価指数(TOPIX)やS&P500指数に連動するものなど多くのETFが存在します。例えば、S&P500指数に連動する「VOO」というETFと購入したとすると、S&P500に組み込まれている米国大企業500社に投資したことになります。
それでは、ETFの特徴について解説していきます。
ETFの特徴①分散投資
ETFは、分散投資に向いています。というのも先ほど少し解説したように、ETFは特定の指数に連動するように設計されているため、ETFを1種類しか持っていなくても数10~数1000の個別株に分散投資したことと同じ効果があります。
分散投資は、リスク管理の面で非常に重要な要素になります。
例えば、通常の個別株に100万円投資したとすると、その企業が倒産した場合には株の価値が0円になってしまいます。
一方で、S&P500に連動する「VOO」を100万円分購入したとすると、S&P500の指数に採用されている企業が1社倒産しても残りの499社の業績に問題なければ、VOOの価値はわずかに低下するだけで済みます。
特に投資を始めたばかりの人や投資資金が少ない人の場合、1株で分散投資が可能なETFはリスク管理の面で優れた金融商品になります。
ETFの特徴②信託報酬(管理費用)が安い
ETFと投資信託は、保有しているだけで信託報酬という管理費用がかかります。信託報酬は、運用会社がETFや投資信託を運用管理するための手間賃と考えてください。
例えば、S&P500に連動するETFや投資信託の場合、S&P500を構成する企業が変更になると運用会社が銘柄を入れ替え、その指数に連動するように運用する必要があります。銘柄の入替や指数に連動する運用などを運用会社に任せる代わりに、投資家はその管理費用を支払うというわけです。
そして、その信託報酬がETFと投資信託ではETFの方が安いことが多いのです。特に米国ETFは、多種多様なテーマのETFが存在し、しかも信託報酬が安いということでおすすめです。ちなみに、米国ETFについては後日解説していきます。
ETFの特徴③個別の企業分析が不要
ETFは複数の企業にまとめて投資するので、1つ1つの企業の業績を細かく分析する必要がありません。
S&P500に連動するETFを例にすると、S&P500に採用されているアメリカの大企業が今後も成長すると予想する場合は、そのETFの投資を継続していけばよいのです。つまり、ETFでは特定の企業の業績を見るのではなく、投資対象になっている国や業界が成長していくかを予想すれば良いということです。
これが個別株であれば、その企業の業績推移や決算の確認などを分析し、投資を継続すべきか売却すべきかなどの判断が必要になります。もちろん、企業分析をして割安な銘柄や成長しそうな銘柄を見つけて投資するというのも投資の面白さではありますが、投資初心者や投資に時間をかけられない人には適していません。
そういった意味でも、「今後もこの国が高い経済成長を維持する」や「これからはハイテクの時代だ」など個別株と比較してよりマクロな視点で投資ができるETFは、投資初心者向けの金融商品といえます。
ETFまとめ
最後にETFの特徴をまとめました。
- 分散投資が可能
- 信託報酬(管理費用)が安い
- 個別の企業分析が不要
- 初心者向け
次回以降に米国ETFについて解説していきます。