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インデックスファンドへの投資だけで資産形成できるのか【前編】

インデックスファンドへの投資だけで資産形成できるのか

投資初心者はインデックスファンドで資産形成を始めよう

投資初心者には、手数料が安いETFや投資信託(インデックスファンド)がおすすめです。

ETFでは、全世界を投資対象とする「VT」や米国全体を投資対象とする「VTI」が投資初心者が検討すべきものです。

一方で投資信託では、 全世界を投資対象とする「eMAXSIS Slim オールカントリー」や米国大型株を投資対象とする「eMAXSIS Slim 米国株式」が有力な候補です。

仮につみたてNISAで毎年40万円を20年間投資する(リターン5%)という場合には、800万円の元本が1370万円まで増加します。

出典:楽天証券

夫婦でつみたてNISAをやった場合は、単純に2倍の資産2700万円を形成することができるため、老後2000万円問題などはあっという間に解決できてしまうのです。

このように投資を十分に理解していない初心者であっても、インデックスファンドをコツコツと積み立てていくだけで資産形成は可能であるように思われます

投資初心者がインデックスファンドを数10年も投資することは可能か

しかし、 投資初心者がインデックスファンドをコツコツと積み立てることは簡単そうに見えますが、実はかなり難しいことだと思います。

その理由としては、投資期間である数10年の間に株式相場の暴落を経験する確率が高く、暴落時にも狼狽売りをせずに投資を継続できるのかという問題があるからです。

米国の主要株価指数であるS&P500を例にすると、30%以上下落した暴落は1920年代から現在までに8回ありました。

一番最初の暴落は世界恐慌で-86%を記録しています。直近では、2020年のコロナショックで-34%の暴落を経験しました。

2000年以降に限定すると、2000年のITバブル崩壊、2007年のリーマンショック、2020年のコロナショックの3回も暴落がありました。

しかも、ITバブル崩壊後にようやく株価が回復してきたらリーマンショックに見舞われてしまい、10年くらい株価が停滞していた事実もあります。

出典:yahoo finance( S&P500 )

暴落時にも投資を継続するために必要な経験・知識を深める

仮に、現在投資初心者の最適解の1つとして考えられているS&P500の投資信託を1000万円分保有していたとしましょう。

ある日突然○○ショックが発生し、S&P500が30%の暴落を経験したとしましょう。そうすると、1000万円の投資信託が700万円まで価値が減ってしまうのです。

場合によっては、30%の暴落では済まないかもしれません。また、暴落してから10年程度株価が回復しないことさえあります。

こういった状況に遭遇したとしても、 投資初心者がインデックスファンドをコツコツと積み立てることができるでしょうか。インデックスファンドにしか投資したことが無い投資初心者には難しいはずです。

暴落時にインデックスファンドの積み立てが継続できなくなるだけでなく、狼狽売りをして投資自体を辞めてしまう可能性もあります。

インデックスファンドにしか投資していない投資初心者であっても、暴落時にも投資を続けるのが王道の投資手法であることを知っているはずです。暴落というのは別の角度から見れば、一時的に割安で株を買うことができる絶好の投資機会でもあります。

しかし、頭の中で理解していてもそれを実際に行動に移せるかどうかというのは別問題です。暴落時にも投資を継続するために必要な経験・知識を深めることが重要になります。

そしてインデックスファンドへの投資だけでは、上記の経験・知識を深めることができないと個人的に考えています。

例えば投資信託への投資では、毎月○○万円投資するという設定を一度決めてしまえば他にやることはありません。せいぜい数か月に1度くらい資産額がどの程度になっているか確認するだけで十分でしょう。

つまり、このような投資手法では、 暴落時にも投資を継続するために必要な経験・知識が身につきません。

個別株に投資することでインデックスファンドの理解を深める

ではどうすればよいかというと、 個別株の投資をすべきというのが個人的な意見です。

管理人は昨年から株式投資を始めており、ETFや投資信託のインデックスファンド以外に個別株にも投資しています。そして投資の勉強も並行して開始しました。

なぜ勉強しているかというと、個別株に投資する際には企業の決算や業績を確認する必要があります。インデックスファンドのように広く分散されていないので、投資に関する知識を身につけなけらばならないわけです。

また、個別株は株価の値動きが激しいことから値動きに慣れるという効果が期待できます。

詳細は、次回解説していこうと思いますが、 個別株に投資することでインデックスファンドの理解を深めようというわけです。

別の投資手法を実践すると、インデックスファンドの投資を別の角度から俯瞰してみることができるようになると思います。

そうすることでインデックスファンドのメリット・デメリットを再認識でき、暴落時にも投資を継続することができるようになるはずです。

このレベルまで投資家として成長すれば、インデックスファンドのみでも資産形成は可能になってくるでしょう。

まとめ

今回は、インデックスファンドへの投資だけで資産形成できるのかについて解説してきました。

投資初心者向けの投資手法としてインデックスファンドをコツコツと積み立てることが最適解の1つと考えられていますが、暴落時にも狼狽売りをせずに投資を継続する必要があります。

そして、 暴落時にも投資を継続するために必要な経験・知識を深めるためには、個別株にも投資をしてみようと提案しました。

次回は個別株にも投資すべき理由について解説していきます。