今回紹介するのは「早稲田アカデミー」という首都圏を中心に学習塾です。
学習塾の銘柄は株主優待が豪華なことで知られ、早稲田アカデミー以外では「学究社」や「東京個別指導学院」などがあります。
その中でも早稲田アカデミーの株主優待は年2回あり、優待利回りが非常に高いことが知られています。個人投資家には人気のある銘柄です。
そこで今回は、早稲田アカデミーを100株保有している管理人が早稲田アカデミーの銘柄分析をします。
ぜひ投資の参考にしてください。
早稲田アカデミーの銘柄分析(4718)
事業
早稲田アカデミーは学習塾を運営している企業です。
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城)を中心に中学受験から大学受験を対象とした進学塾「早稲田アカデミー」のほか、医歯薬系大学受験に特化した専門予備校「野田クルゼ」、茨城県で展開する「水戸アカデミー」などの子会社があります。
以下のブランドの紹介は一部のみです。
早稲田アカデミーというと、難関校の合格実績とりわけ中学受験や高校受験に強いイメージを持っています。逆に、大学受験では知名度が低い印象です。
そして学習塾業界全般に言えることですが、「難関校○○に△△名合格」などのインパクトの大きい広告やCMを目にすることが多いです。
学習塾の場合は、売上と合格実績がリンクするビジネスモデルであるため、絶えず結果(合格実績)を残し続けなければならない業界であります。
先ほど紹介したような広告で宣伝できるようにするためには、難関校の合格実績が必要です。
例えば、難関私立高校の合格実績と売上高には相関関係があることが以下の資料からも分かります。
つまり、合格実績が低迷すると売上高が減少する可能性があることからも、合格実績にも注意を払う必要があります。
株価
まず、株価の6か月チャートを見ていきます。
2020年の後半から2021年にかけては世界的に株価は絶好調でしたが、2022年からはインフレ&利上げにより厳しい相場になっています。
そういった相場環境の中でも、早稲田アカデミーの株価は上昇しており、1200円に迫る勢いです。
後述するように、早稲田アカデミーの利益(EPS)はコロナ前よりも高くなる予想ということもあり、株価もそれに応じて上昇トレンドを維持しています。
次に、 株価の10年チャートを見ていきます。
2017年から株価は急激に上昇し、一時は1200円台を突破しています。
その後2019年に株価が低迷するものの、コロナショックや増資など株価にマイナスなイベントがありつつ、株価1200円台に再チャレンジしているところです。
株価と利益(EPS)は基本的には連動する傾向があることから、株価の動きとEPSの伸び(減少)をセットで確認することをおすすめします。
株価が高く(低く)なった原因は必ずあるので、その原因を把握せずに不用意投資しないようにしましょう。
売上高(営業収益)
早稲田アカデミーの売上高の推移を確認していきましょう。
現在も成長中の企業であれば売上高は毎年増加しているはずです。早稲田アカデミーの場合はどうでしょうか。
過去10年間の売上高推移で確認してみると、売上高は毎年増加していることがわかります。
コロナの影響を大きく受けている2021年3月期についても、前期と比較して売上高を伸ばしている点は評価できます。
そして2023年3月期の予想売上高は、過去最高の売上高を更新する予定であり、これからも成長することを予感させます。
しかし、注意しなければならないのは、売上高が増加していても利益が減少していたら意味がありません。
そのため、売上高が順調に増加していることを頭の中に入れつつ、利益(EPS)もそれに応じて増加しているか確認することが大切です。
EPS
それでは早稲田アカデミーのEPSの推移を確認していきましょう。
EPSは1株純利益のことで、利益がどれだけあるかを示す重要な指標です。
このEPSが増加していれば、利益が増加しているといえます。それに連動して株価も上昇します。
早稲田アカデミーのEPSは、概ね増加傾向であることがわかります。
売上高が毎年増加していたのに対して、利益は必ずしそうではありません。
特に2021年3月期のEPSは、過去5年間では最低水準の利益であったことを示しており、例年と比較して利益を確保するのが大変な年であったといえます。
しかし、コロナの影響がようやく収まりつつある2023年3月期は、予想EPSが過去10数年では最も高くなる予定になります。
このように売上高と利益(EPS)は連動しないこともあるので、売上高と利益(EPS)は必ずセットで確認するようにしましょう。
自己資本比率
次に、早稲田アカデミーの自己資本比率の推移です。
自己資本比率は財務の健全性を表す指標で、自己資本比率が高いほど財務の健全性が高く、倒産しにくい企業といえます。
早稲田アカデミーの自己資本比率は毎年増加しており、ここ数年は60%弱まで高くなりました。
一般的に自己資本比率が80%以上になると財務健全性が高く、(財務健全性の視点では)優良企業と評価されます。
一方で、自己資本比率が30%以下になると財務健全性が低く、(財務健全性の視点では)問題のある企業と評価されます。
ただ、自己資本比率は業種によって大きく異なるので同業他社や過去の自己資本比率と比較することも大切です。
上記のことを考慮して早稲田アカデミーの自己資本比率を評価すると、自己資本比率が50%台で推移していることから財務的に問題を抱えているわけではないことがわかります。
早稲田アカデミーの配当金・株主優待
配当金
早稲田アカデミーの配当金を確認していきます。
配当金を目当てに投資をする場合は、「配当金がどれくらいもらえるか」「増配(減配)しているか」は非常に重要な情報になります。
早稲田アカデミーの過去10年間の配当金は増加傾向であることが分かります。
コロナの影響が最も大きかった2021年3月期は配当金の維持で精一杯でしたが、2023年3月期の配当金予想は増配です。
配当金はEPSから捻出するため、EPSが毎年増加傾向でないと配当金の増配を継続するのは難しいです。
先ほどEPSを確認したように、2021年3月期を除いてEPSも増加傾向で推移しています。
そのため、EPSが増加し続ける限りは配当金の増配を継続することはできます。
配当金を増配できるかはEPSが増加しているかで簡単に推測することが可能なので、銘柄分析をする際には必ず確認するようにしましょう。
現在の株価で配当利回りを計算すると約2.0%と高配当銘柄ではありません。
しかし、次で紹介するように株主優待がとても充実しています。
株主優待
早稲田アカデミーの株主優待はとても豪華なことで知られています。しかも、3月と9月の年に2回もらうことができるのでお得です。
株主優待は継続保有期間に応じて異なり、以下の表のとおりです。
3月には「QUOカード1000円相当(3年以上で2000円相当)」、9月には「株主優待券5000円相当(3年以上で10000円相当)」をもらえます。
そしてクオカードと株主優待券は以下のようなオリジナルのデザインです。
株主優待券は早稲田アカデミーの授業料などで使うことができます。使用用途は限られますが、3年以上の保有で10000円相当の株主優待券がもらえるのは非常にお得といえます。
現在の株価で優待利回りを計算すると優待利回りは5.1%、3年以上保有した場合の優待利回りは10%です。
そして配当金と株主優待の利回りを合計した総合利回りは約7.1%、3年以上保有した場合の総合利回りは12%と異次元の利回りになります。
まとめ
今回紹介したのは「早稲田アカデミー」という首都圏を中心に学習塾です。
早稲田アカデミーは、配当利回りと株主優待の利回りを合計した総合利回りが約7%(3年以上保有の場合12%)と高利回り銘柄です。
既に100株を保有しているので、このまま保有を継続する予定です。
早稲田アカデミーは株主優待デビューに適した銘柄だと思うので、投資の際には銘柄分析を参考にしていただけたらありがたいです。