住友商事(8053)~第153回定時株主総会の案内が届きました~
住友商事(8053)から定時株主総会の案内が届きましたので紹介していきます。
事業内容
住友商事は、昨年ウォーレン・バフェットが投資したことで知られている5大商社の1つです。
一般的に総合商社は、コングロマリット(相互関連性のない事業で形成された複合企業)とみなされます。様々な事業を1つの企業がやっていることで、投資対象が明確になりにくいという特徴があります。
事業内容を見ていきましょう。総合商社ということもあり、資源関連の事業を中心に様々なことをやっているイメージを持っています。メーカーのように製品にロゴマークがついているわけではないので、実生活において認知する機会は少ないです。
それでは、株主総会資料から事業内容を抜粋してみました。
- 金属事業:鋼材・鋼管・非鉄金属の関連事業
- 輸送機・建機事業:船舶・航空機・自動車・産業車両の関連事業
- インフラ事業:電力小売・交通インフラ・物流インフラ
- メディア・デジタル事業:ケーブルテレビ・5G・ICTプラットフォーム
- 生活・不動産事業:食品スーパー・ヘルスケア・食料品の生産加工流通
- 資源・化学品事業:非鉄金属・石炭・石油・電池用材料・医薬・化粧品
大きく分けて6つの事業があるようです。その中には、さらに細分化された事業が多数あるため代表的なものしか書いていません。
やはり、総合商社ということもあり何でも屋という印象は変わりませんでした。事業の幅が広いため、新型コロナの影響がどの分野に出ているかぱっと見でわかりにくいです。
それでは、事業ごとの業績を見ていきます。
メディア・デジタル事業は前年度よりも利益が増加しています。新型コロナで外出が減ったことで在宅時間が長くなったことやICT関連の需要が高まったことで業績が良くなったと思われます。
一方で、それ以外の事業については損失を計上しており、前年度に好調だった事業も大幅な損失に転落しています。金属事業は前年度も損失を出しています。
特に損失が大きかったのは、マダガスカルのニッケル事業(資源・化粧品事業)です。これだけで850億円の損失を計上しています。
住友商事では「アンバトビー・プロジェクト」という名称で、ニッケル採掘から精錬までを一貫して手掛けており、新型コロナの影響で工場が操業停止したことで損失につながったようです。
2021年3月に工場の操業を再開したそうなので、業績の回復を期待したいところです。ニッケルは世界的に需要が高まっているので、世界経済が回復すれば安定した需要を見込めるのではないでしょうか。
当期配当金:3,500円(年間配当金:7,000円)
当期の配当金は3,500円でした。年間配当金は7,000円と前年度から1,000円の減配になっています。ただ、前年度は記念配当が含まれているため、それを除くと当期も配当維持(減配無し)とみなすこともできます。
過去の配当金推移を見てみると、7,000円(1株当たり70円)前後の配当が得られているので、1つの参考になるでしょう。
新中期経営計画 SHIFT 2023 では、「長期安定配当という基本方針を踏まえ、1株当たり70円以上の年間配当金額を維持した上で、配当性向30%を目安に決定する(一部要約)」と記載がありました。
来期は黒字転換を予想していることもあり、来期の配当予想は当期と同様の7,000円にしています。
ひとまず来期の業績回復に期待したいところです。
配当利回り:4.9% 評価益:+13,700円
2020年度の配当利回りは、4.9%と高配当でした。
昨年購入したこともあり、やや割安な株価で購入することで約5%の高配当になっています。ただ、今の株価で購入しても配当利回りは、4.5%と高配当なことに変わりはありません。
すでに株価には織り込み済みだとは思いますが、来期は業績の回復が予想されているので投資するのは今からでも遅くないかもしれません。
とはいえ、総合商社へ投資する場合は住友商事以外にも三菱商事や伊藤忠商事などもあるため、他の5大商社と比較して投資対象になるかどうかという視点も忘れてはいけません。
それではチャートを見ていきましょう。
一時はコロナショックの影響で1200円を割り込むまで下落しましたが、2020年の年末から急激に株価を戻しています。
2020年はグロース株の成長が著しかったですが、2021年に入ってからはバリュー株が復活してきています。住友商事もその流れを一部受けて、コロナショック前の水準まではほぼ回復してきました。
私が購入したのは2021年1月くらいで、1,425円で100株購入しました。1,562円まで株価が上がったので、評価益も+13,700円と含み益が出ています。
今後の方針
保有数が100株と少ないことや配当利回りが約5%もあるので保有し続けようと思います。
総合商社はコングロマリットになっているため、良くも悪くも投資対象として敬遠されやすいです。事業が広すぎて投資対象が明確ではないので、投資家からは不人気で割安で放置されやすいと言えます。
そこを逆手にとって、株価の値上がりは期待せずに長期で安定的な配当金を目的に保有し続けます。
2020年度は赤字に転落してしまったので、2021年度は黒字を期待しています。