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投資初心者は投資信託から始めるべき③~つみたてNISAを活用~

つみたてNISAとは

今回は、投資信託と相性が抜群のつみたてNISAについて説明していきます。投資初心者は、まずはこの組み合わせで始めてみましょう。

つみたてNISAとは、2018年1月から開始した「長期積立・分散投資を支援するための非課税制度」です。通常、投資信託や株式投資を行っていると運用利益が出ますが、その運用利益は課税対象になります。

ところが、NISA制度(一般NISAとつみたてNISAがありますが、今回はつみたてNISAを解説)を利用して運用すると、そこで得られた運用利益が非課税になるというものです。

 つみたてNISAが始まった経緯としては、20代・30代などの若年層に対して資産形成を促し、年金の不足分を自分たちで用意しなさいという国からのメッセージにあります。日本は高齢化が更に進んでいき、若い人ほど将来受けとることができる年金は減ることが確実になっています。

つまり、「これからは自分自身で年金の不足分を準備してね」「その代わり非課税にして国としても支援するよ」ということです。

FIREを目指す上でも、老後の年金というのは重要な問題です。というのも、FIRE達成後は厚生年金に加入できなくなるため、サラリーマンや公務員に比べて年金の受給額が大幅に減ることが予想されます。

また、年金の不足分を補うという目的以外にも、若年時における資産形成のスピードを加速させるという目的もあります。FIREを目指している人にとっては、後者の方が重要な意味を持っていると思います。非課税ということは、本来は税金として取られてしまう運用利益の一部を再投資に回せるので、再投資の効率を最大化することができます。このお得な制度を活用しないと非常にもったいないです。

つみたてNISAの特徴

つみたてNISAの特徴を、以下にまとめます。

  • 運用利益が非課税
  • 非課税期間は最長20年間
  • 年間の投資上限額は40万円
  • 投資対象は長期積立・分散投資に適した投資信託

つみたてNISAの特徴として、非課税期間が最長20年間と長いことから長期積立・分散投資に向いています(そういう目的の制度ですので当然ではありますが)。また、投資上限額が年間で40万円で、これを月額に換算すると約33,333円になります。この金額を上限とし、金融庁のお墨付きを得られた投資信託をドルコスト平均法で購入していくというわけです。

実は、つみたてNISAで購入できる投資信託というのは、金融庁の基準を満たしたものに限定されています。というのも、投資信託の商品はたくさんあり、長期積立・分散投資に向いていない商品やぼったくりの投資信託もあるわけです。つみたてNISAを始めてもぼったくりの投資信託を購入してしまうと、非課税制度を十分に活用できないだけでなく資産を増やすことは困難になってしまいます。金融庁がわざわざ基準を設けているのもうなずけますね。

では、つみたてNISAに適した投資信託は何かというと、信託報酬が安く平均的なリターンが得られるインデックスファンドということになります。このあたりの話は、次回以降に解説していきます。

税金がお得な制度は、つみたてNISA以外にも一般NISAとiDeCoがある

つみたてNISAとは別に、一般NISAという制度もあります。ここで問題なのが、つみたてNISAと一般NISAは併用することができず、どちらかを選ばなければならないということです。

私自身は、つみたてNISAを選択していますが、どちらを選ぶかはその人の運用方針や余剰資金の状況によって異なります。また、どちらがお得かというのも、一概に言えません。私なりの考えを示しますと、投資初心者の方はつみたてNISAを選択し、投資信託をドルコスト平均法で愚直に購入していくのが良いと思います。

一般NISAは、年間の投資上限額が120万円非課税期間が最長5年間とある程度の資金を短期間で投入することができないと、非課税枠を最大限に活用することができません。

一方で、つみたてNISAは、年間の投資上限額が40万円非課税期間が最長20年間と比較的少額の資金を長期間で投入すればよいので、一般NISAに比べて非課税枠を最大限に活用しやすいと思います。

何度も繰り返しますが、投資初心者は投資信託から始めることをおすすめしています。どちらを選択すればよいか迷ってしまい投資を始められないと本末転倒ですので、つみたてNISAと投資信託の組合せで投資デビューしましょう。

また、ここでは詳しく解説しませんが、iDeCo(個人型確定拠出年金)という制度もあります。iDeCoは、年金の不足分を補う制度として開始されたものです。原則60歳になるまで受給することができず、FIREを目指す人にとっては注意が必要です。iDeCoについては、後日解説していきます。