FIRE

定年が70歳になる?【前編】~時間を味方につけた人生戦略が必須に~

70歳までの就業確保が努力義務になりました

今月から、70歳までの就業確保が努力義務になりました。2020年3月に「高年齢者雇用安定法」が改正され、ついに施行の時期を迎えたというわけです。

今回の改正では、70歳までの就業確保措置を企業の努力義務となったことが注目されています。現時点では努力義務ですが、定年70歳になるのもそれほど遠い将来ではないと思います。

70歳までの就業確保が努力義務になった背景には、①少子高齢社会が急速に進展したことによる年金問題 ②健康寿命が大幅に伸び、70歳でも十分に労働力を提供できるということがあります。

今では人生100年時代と呼ばれることもあり、一昔前の70歳と現在の70歳では後者の方が肉体的にも若々しい人が多いのではないでしょうか。

70歳まで健康で元気なことはありがたいことですが、個人的には70歳まで働くことはかなり抵抗感があります。FIREを目指しているということもあると思いますが。

記憶が定かではありませんが、私が就職した時は定年が60歳だったはずです。それが数年後には65歳までの継続雇用の義務化(実質定年65歳)が始まり、そして定年70歳に向けた布石が着々と進んでいるというのが現状です。

22歳で就職した人は、定年60歳だから38年間働けば退職できるんだなと当時想定していたはずです。

ところが、その約10年後に定年は70歳に将来的に延長されるという状況に変化してしまい、退職まであと38年間というのは10年前も今も変わっていません。

せっかく10年働いて定年まで残り28年になったかと思いきや、定年70歳に引き上げるよという号令。そして定年まで残り38年とスタートラインに戻ってしまったというわけです。

人生が長くなった~時間を味方につけた人生戦略が必須になる~

定年70歳時代の到来により、多くの人が70歳まで働くことになるでしょう。寿命が延び、人生が長くなったのだから、働く時間が長くなることはある意味当然のことなのかもしれません。

一方で、60歳で退職可能な人も少数ながら一定数いると思います。人生が長くなったのだから、時間を味方につけた人生戦略を緻密に考えていた人たちです。

もうすでにお気づきだと思いますが、時間を味方につけると絶大な効果を発揮するのが資産運用と複利効果です。人生が長くなれば長くなるほど、資産運用をする人としない人の差が大きくなることが予想されます。

これまでは正社員として定年まで働き、退職金と年金で老後生活を送るという考え方が主流でした。

しかし、このような考え方では今後は安定した人生を送るのは難しくなると思います。あらためて、各人が人生戦略を見直す必要性があるのではないでしょうか。

その人生戦略の1つの答えが、時間を味方につけた資産運用と複利効果になると思います。人生が長くなったという事実を最大限に生かせる人生戦略を常に考え、行動に移していきたいものです。

そして人生戦略を考える上では、FIREという概念が役に立つのではないかと思います。

次回はFIREと人生戦略の関係性について解説していきます。