FIRE

FIREするには1億円が必要?②年間生活費の25倍を運用せよ

FIREするなら知っておきたい「4%ルール」とは

前回は家計簿で年間生活費を把握する大切さについて解説しました。家計簿をつけることによって年間生活費がわかったら、いよいよFIREに必要な金額を計算していきたいと思います。

まずは計算を始める前に、その計算の前提となる「4%ルール」について簡単に解説します。

「4%ルール」とは、金融資産(株式や投資信託など)の運用益を4%とした場合、年間生活費の25倍の金融資産があれば、その運用益だけで年間生活費をまかなうことができるというものです。この4%とは、アメリカの株式の成長率からインフレ率を差し引いたものです。※4%という数字については、後日解説したいと思います。

厳密さは欠きますが、年間生活費の25倍の優良な金融資産(リターンが4%以上の高配当株・投資信託など)を持っていれば、その運用益が生活費を常に上回り、金融資産の元手を減らすことなく半永久的に運用益のみで生活することができます。これこそ、正真正銘のFIREですね。

年間生活費の25倍が必要

では、実際に年間生活費の25倍を計算してみましょう。その結果を下の表にまとめました。例えば、年間生活費が100万円で十分だという場合には、その金額の25倍である2500万円がFIREに必要な金額というわけです。

ここで皆さんも年間生活費からFIREに必要な金額を見てみましょう。必要な金額はおおよそ把握できたでしょうか。おそらく多くの人が、予想よりも多くの金額が必要だと痛感したのではないでしょうか。私自身も最初に計算したときは、こんな金額を貯めることはできないと思いました。

ちなみに、私たち夫婦の年間生活費は400万円ちょっとです。ざっくり400万円とすると、なんと1億円が必要になります。定年時点で1億円を貯めることですら難しいのに、早期退職する時点で1億円が必要というのは本当に達成できるのかと思ってしまいます。

年間生活費        FIREに必要な金額(金融資産)
100万円2500万円
200万円5000万円
300万円7500万円
400万円1億円
500万円1億2500万円
600万円1億5000万円
700万円1億7500万円
800万円2億
900万円2億2500万円
1000万円2億5000万円
FIREに必要な金額(金融資産)※4%ルールの場合

1億円貯めるのに何年かかるのか

先ほど、私たち夫婦の場合ですと、FIREに必要な金額は1億円という試算結果になりました。では、1億円を貯めるには何年かかるのでしょうか。もっとも、貯金で1億円貯めるのではなく、資産運用しながら1億円貯めるということもお忘れなく。

そこで楽天証券のシミュレーションを使用して何年かかるか計算してみましょう。年間に投資できる金額がおおよそ400万円なので、333,333円を毎月積立して5%で運用した場合の結果が下の図になります。

結果は、16年3か月となりました。私たち夫婦は現在30代なので、50代前半くらいに1億円を貯めることができるということです。「けっこう道のりが長いな」というのが正直な感想です。ただ、私たちの世代は将来的に定年が70歳くらいになっていると仮定すると、定年を15年早くできるというのはとてもありがたいですね。

(引用:楽天証券)

とはいえ、あと16年もかかるのか…という気持ちが強いです。FIREへの道はまだ始まったばかりというわけです。

もう1つ感じたのが、投資のパワーです。年間400万円で1億円を貯めるには、25年かかります。ところが、投資で複利運用しながら資産拡大をすると、16年で1億円を貯めることができます。つまり、9年間も時間を短縮できたということです。しかも、この1億円の金融資産が、年間平均で400万円を生み出してくれるというのも驚くべき事実です。もちろん、その金融資産が右肩上がりで資産価値が増加し続ける(もしくは4%以上の高配当を維持する)ことが前提にはなります。

これまでのことをまとめましょう。

4%ルールで資産を減らさずに生活費をまかなう

年間生活費の25倍がFIRE達成の1つの目安

1億円貯めるには約16年かかる(管理人の場合)

次回は、FIREまで10何年も待てないよという人向けに、サイドFIREを解説していきます。