今回は、オール・カントリー(eMAXIS Slim 全世界株式)に380万円投資した結果について紹介します。
名実ともに最強の投資信託の1つと言えるオール・カントリーは、その名の通り全世界に分散投資可能な投資信託です。
個人投資家が投資信託で資産形成する際には、①分散性 ②低コストの信託報酬というのが必須の要素になります。それらの条件を同時に満たすオール・カントリーは投資信託の最有力候補です。
一方で株式市場の動きに目を向けると、2022年から世界中の株式市場が不安定になっていました。その後、2023年5月くらいから相場が上昇し始め、2024年3月現在も株式市場は引き続き好調を維持しています。
今回は上記の相場環境を受けて投資のリターンがどのように変化したのかに着目し、現在運用中のオール・カントリー380万円の運用成績を公開します。
それでは最後までお付き合いください。
オール・カントリーとは?
オール・カントリーは、正式名称「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託です。
投資の経験があれば、「オール・カントリー」という投資信託は一度は聞いたことがあると思います。通称オルカンと呼ばれている投資信託です。
オール・カントリーは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」において4年連続で1位を獲得している投資信託になります。
オール・カントリーは楽天証券でも投資することが可能であり、楽天証券でオール・カントリーをつみたて投資している個人投資家も多いのではないでしょうか。
そして最近はライバルの投資信託登場したことで信託報酬を約半分まで大幅に引き下げたことが話題になりましたね。
今年から始まった新NISAでもオール・カントリーに投資する人も多いと思います。実は私もその一人になります。
オール・カントリーの基本情報
この投資信託の特徴は、以下のとおりです。
- MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動
- 先進国・後進国の株式に投資
- 為替ヘッジ無し
- 信託報酬:0.05775%
- 設定日:2018年10月31日
一言で表現すると、「全世界に格安で分散投資できる投資信託」といえます。
連動するインデックスは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」です。
世界中の主要企業で構成される指数とだけ理解しておけば良いでしょう。オール・カントリーに投資すれば世界中の企業に投資できるなんて、素晴らしい投資信託ですね。
オール・カントリーの投資対象国
しかしオール・カントリー(全世界)という単語を使ってはいますが、すべての国に投資しているわけではありません。
実際に投資対象となっている国と地域は、「先進国が23か国」「新興国が24か国」です。
国の数としては新興国の方が多くなっていますが、構成比率としては「先進国が89%」「新興国が11%」と先進国がほとんどです。
さらに国別の構成比率を見ると、米国が61.4%と約6割が米国になっています。
ここまで米国の比率が高くなっているのは、米国の株式市場の時価総額が他国の株式市場と比べても圧倒的に高いためです。
オール・カントリーの組入銘柄
オール・カントリーの組入銘柄を見ていきましょう。組入銘柄数は約3000銘柄です。
しかし、投資対象国で米国が6割を占めていたことから想像できるように、上位10銘柄の全てが米国企業です。
それだけ米国企業が世界中に展開していて、かつ時価総額の大きい企業が多いといえます。
GAFAMやテスラなどの成長中の企業を中心に、ヘルスケアのジョンソン&ジョンソン、半導体のNVIDIAなどがランクインしています。
例えば、オール・カントリーに100万円投資したとすると、4.6万円はアップルに投資していることになります。
マイクロソフトには3.6万円、アマゾンには1.8万円というようにGAFAMにも分散投資しつつ世界中の企業に広く投資しているわけです。
オール・カントリーのリターン
オール・カントリーの設定来のリターンを見ていきます。
設定来(設定日:2018年10月31日)のリターンは+133%です。仮に設定日に100万円投資していたとしたら、現在は233万円の評価額になっています。たった5年で2.3倍に成長しているのはすごいの一言です。
そんな最強のオール・カントリーも2020年初頭のコロナショック時は、一時40%ほど暴落していることが分かります。
世界中に分散投資をしている場合でも、コロナショックのような世界的な危機ではオール・カントリーといえど下落を免れることはできません。
しかし、その後は順調に回復し、多少上下を繰り返しながら右肩上がりでリターンが大きくなっています。
そして年間リターンは、以下のようになっています。
投資信託(ファンド)の設定が2018年のため、それ以前は連動を目指す指数(ベンチマーク)の年間リターンです。
直近10年間は、オール・カントリーの大半を占める米国市場が絶好調だったこともあり、年間リターンが20%以上の年が5年間もありました。
一方で、マイナスのリターンに終わってしまう年(2011年・2015年・2018年・2022年)もあり、毎年のようにプラスのリターンが得られるわけではないことを覚えておきましょう。
投資履歴と運用成績
それでは、オール・カントリーがどのような投資信託か理解できたと思うので、投資履歴と運用成績を見ていきましょう。
オール・カントリーの投資履歴
オール・カントリーには夫婦それぞれで以下のように投資をしています。
特定口座:2021年1月~2023年12月 ※新規積立停止中
NISA口座:2024年1月~
つまり、特定口座では新規積立は実施せず運用のみです。NISA口座では夫婦でそれぞれ毎月5万円ずつ投資しています。
それでは投資履歴を見ていきましょう。
まずは2021年1月から投資を開始した特定口座①の投資履歴です。
次に2021年3月から投資を開始した特定口座②です。
次に2024年1月から投資を開始したNISA口座①と②です。
投資総額は380万円です。
毎月5万円分を投資しているため、単価が上がると購入できる数量が減ります。その一方で、単価が下がると購入できる数量が増えます。
この投資方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、長期投資の王道となる投資方法です。
オール・カントリーの運用成績
それでは、オール・カントリーの運用成績を見ていきます。
まずは、2021年1月から投資を開始した特定口座①です。こちらは175万円分をオール・カントリーに投資しています。
運用成績は、175万円投資して+696,944円(+39.82%)でした。
投資開始してからのトータルリターンの推移を見ていくと、2022年3月に一時マイナスのリターンに低下しました。
その後もトータルリターンは上昇と下落を繰り返しており、特に2022年に入ってからは上下の波が激しく相場の変動が大きいことがわかります。
そして2023年5月くらいからようやくトータルリターンが上昇を再開しました。2024年3月現在は過去最高益を更新し続けています。
また当たり前ですが、運用額が大きくなるほど変動が大きくなっていることもわかります。
次に、2021年3月から投資を開始した特定口座②です。こちらも175万円分をオール・カントリーに投資しています。
運用成績は、175万円投資して+676,194円(+38.63%)でした。
先ほどと同様に、2022年からトータルリターンが上下に激しく揺れていることがわかります。こちらも2024年3月現在は過去最高益を叩き出していることが分かります。
次に、2024年4月から投資を開始したNISA口座①と②です。こちらはそれぞれ10万円分をオール・カントリーに投資しています。
NISA口座①②の運用成績は、それぞれ15万円投資して+8,741円(+5.82%)でした。
運用開始直後から上昇相場の波に乗ってリターンはプラスで終えています。
特定口座とNISA口座のリターンをまとめてみると以下のようになります。
買付金額 | 評価額 | リターン | |
特定口座① | 175万円 | 244万6944円 | +39.82% |
特定口座② | 175万円 | 242万6194円 | +38.63% |
NISA口座① | 15万円 | 15万8714円 | +5.82% |
NISA口座② | 15万円 | 15万8714円 | +5.82% |
合計 | 380万円 | 519万566円 | +36.59% |
2022年の苦しい相場環境でも愚直に投資を継続した結果が実を結びました。2023年中盤以降の上昇に乗れているのも、そのおかげでしょう。
ここ最近は上昇の勢いがすごく、リターンが急激に拡大しています。
ただ、あくまでも10年以上先を見据えた長期投資のため、投資開始して数年間のリターンは気にする必要はありません。
過去にはリーマンショックやコロナショックなど株式相場の急落は定期的に起こりうるので、慌てて狼狽売りしないように注意したいものです。
そして何よりも下落・上昇相場を読むことはできません。相場に踊らされずに投資を継続することが大切です。
まとめ
今回は、オール・カントリー(eMAXIS Slim 全世界株式)に370万円投資した結果について紹介しました。
380万円投資した結果、+36.59%のリターンが得られました。このリターンは過去最高の結果です。
しかし、10年以上先を見据えた長期投資のため、相場の変化は気にせず・油断せずに淡々と投資を継続していきます。