決算:学究社(9769)
学究社の第二四半期の決算が発表されました。
学究社は、東京都内を中心に学習塾を展開しています。そのため、全国的な知名度はあまりないかもしれません。
そして気になる決算内容は、以下のとおりです。
- 業績予想の上方修正
- 配当金の増配
それでは詳細を解説していきます。
学究社について知りたい方は、過去の記事を参考にしてください。
決算の見どころ
今回の決算の見どころは以下のとおりです。
○売上高:61億42百万円(前年同期比9.9%増)
○営業利益:12億4百万円(前年同期比23.2%増)
○経常利益:12億49百万円(前年同期比42.4%増)
★増収増益で業績予想の上方修正&増配
第2四半期累計の売上高・営業利益・経常利益は、前年同期比で増収増益になりました。そして、業績予想の上方修正&増配も発表しています。
それでは、もう少し詳しく決算内容を見ていきましょう。
売上高:61億42百万円(前年同期比9.9%増)
売上高は、61億42百万円(前年同期比9.9%増)と増収になりました。
売上高が増加した主な理由は2つあります。
- 生徒数が増加(全部門)した
- 夏季合宿が例年通り実施できた
そして「生徒数が全部門で増加したこと」及び「夏季合宿を予定通り実施できたこと」については、コロナ禍における対応が生徒や保護者から支持されたことが挙げられます。
- ダブル学習システム(対面授業+映像授業)
- ワクチンの職域接種(職員・保護者・生徒など希望者)
- 感染症対策の徹底
上記のような対応があり、学究社の運営する塾に通させようとする保護者が増え、結果的に生徒数の増加や夏季合宿の実施につながったというわけです。
営業利益:12億4百万円(前年同期比23.2%増)
営業利益は、12億4百万円(前年同期比23.2%増)と増益になりました。
営業利益が増加した主な理由は2つあります。
- 売上高が増加した
- コスト管理の徹底
単純に売上高が増加したことが大きいようです。
また、生徒数増加による変動費(教材費・合宿運営費など)の増加がありましたが、コスト管理を徹底して利益を確保しています。
経常利益:12億49百万円(前年同期比42.4%増)
経常利益は、12億49百万円(前年同期比42.4%増)と増益になりました。
経常利益が増加した主な理由は2つあります。
- 売上高が増加した(営業利益が増加した)
- 持ち分法適用関連会社の好決算
まず、売上高が増加して営業利益も増加したというのは、これまで見てきたとおりです。
次に、持ち分法適用関連会社の好決算というのは、関連会社(市進ホールディングス)が好決算であったため、その分の利益を計上したことを指しています。
業績予想と株価
業績予想
第2四半期決算では、前年同期と比べて売上高および営業利益、経常利益が増加したことがわかりました。
それを受けて、業績予想の上方修正をしています。
売上高は+1.7%の修正ですが、営業利益と経常利益は+10%以上の修正になっています。
業績の上方修正の理由は以下のとおりです。
- ダブル学習システムの継続・拡大
- 各種合宿や冬期講習の売上が期待される
- 映像授業・オンライン化によるコスト管理の徹底
つまり、上半期の勢いそのまま下半期も継続して売上を確保できる見込みであります。
そして気になる1株あたりの当期純利益(EPS)は、+20%ほど増加する予想です。
EPSが増加予想というのは、それだけ株主に還元可能な利益が増えていることを示しています。
EPSについてあまり知らない場合には、重要な指標なので以下の記事を参考にしてください。
配当金の増配
EPSが増加したので配当金の増配も気になるところです。特に学究社は配当利回りが高いことでも知られ、配当金目当ての投資家も多いでしょう。
実は、業績の上方修正と同時に配当金の増配も発表されています。
出典:学究社(http://www.gakkyusha.com/)
中間配当(第2四半期末配当)は、40円(5円の増配)で確定しています。一方で期末配当は、35円(5円の増配予想)に修正されました。
年間の配当金は75円(10円の増配)になる予定です。
株価の動き
業績予想の上方修正と配当金の増配は、11月11日の取引終了後に発表されました。
そうなると気になるのが株価です。はたして翌日に株価が上昇したのでしょうか。
12日の終値は1459円と前日比+77円(+5.57%)で取引を終えています。また、この株価は年初来高値です。
日足チャートを見てみると一目瞭然ですが、決算発表翌日に爆上げとなっています。
やはり良い決算が出ると株価は反応してきます。
良い決算が出た銘柄はホールドして、悪い決算が出た場合には売却を検討するなど、決算を投資判断に使えるようになると投資成績も良くなるのではないでしょうか。
まとめ
学究社の決算が発表されました。最後におさらいをしましょう。
○売上高:61億42百万円(前年同期比9.9%増)
○営業利益:12億4百万円(前年同期比23.2%増)
○経常利益:12億49百万円(前年同期比42.4%増)
★増収増益で業績予想の上方修正&増配
★株価は年初来高値を更新
コロナ禍の影響も徐々に薄れてきて売上高・利益ともに絶好調です。
今後は、映像授業やオンライン化を更に進めていき、コスト管理をどれだけ徹底できるかがポイントになってくるでしょう。