楽天証券では買付手数料無料の米国ETFが9銘柄ある
楽天証券に限った話ではありませんが、一般的に日本の証券会社で米国ETFを購入する際には買付手数料がかかります。
楽天証券では通常は約定代金の0.495%(上限22米ドル)の手数料が必要になるのですが、楽天証券が指定する米国ETF9銘柄は買付手数料が無料です(2021年5月5日現在)。
投資をする上では手数料などのコストを如何に抑えるかは重要な要素になります。買付手数料が無料ということはその分だけ投資のリターンを高めることができ、利用しない手はありません。
しかもありがたいことに、9銘柄中6銘柄が経費率が安く汎用性のあるETFです。これを組み合わせるだけでポートフォリオを組めるくらい充実したラインナップになっています。
そこで今回から複数回にわたって、楽天証券の買付手数料無料の米国ETFを解説していきたいと思います。
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)~全世界に投資~
VTの概要
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)は、先進国と新興国の両方を投資対象としたETFです。このETF1本で全世界に投資することが可能であり、全世界の市場時価総額の98%以上をカバーしています。
全世界に投資すれば、どの国が経済成長するという予測を立てる必要はありません。どの国の経済が成長するかわからなくても、世界経済(≒資本主義経済)が発展すれば良いわけです。
また、経費率も0.09%と安く、100万円を運用しても年間で900円しか経費がかからないというのも魅力的です。しかも楽天証券であれば、買付手数料も無料です。
自分で世界中の株を広く満遍なく投資しようとすると、多額の資金と銘柄を選定する時間が必要になります。
これをたったの900円(100万円投資の場合)払うだけで時間をかけずに全世界に投資できるということを考えると、優れたETFであることが分かります。
チャート
VTのチャートは、以下のとおりです。ここ10年くらいは、概ね右肩上がりで推移しています。
直近1年間のリターンは51.77%とコロナショック後の急回復による影響で歪な値になっていますが、直近10年間では9.58%と10%近いリターンが得られています。
2021年に入ってから節目の100ドルを突破しました。2009年には一時25ドルまで下落していたことを考えると、10数年で約4倍まで成長しているのは驚異的だと思います。
購入対象者
投資初心者で何を買っていいかわからないという状態であれば、最初に検討すべきETFだと思います。
自分でポートフォリオを考えることができないという場合には、全世界に広く投資することで各国の経済成長の恩恵を満遍なく享受するというのがオーソドックスな戦略だと思います。
まずはVTで投資を始めてみて投資の勉強や経験を積みつつ、好みのETFや個別株を追加で購入していき自分オリジナルのポートフォリオを作成してみましょう。
例えば、「VT:75% 債券ETF:25%」というポートフォリオであれば、VTで全世界に投資しつつ暴落局面では債券ETFがディフェンシブさを発揮しポートフォリオが安定します。
このように投資のコアに据えることが可能なVTは、投資初心者向けのETFと言えます。
まとめ
それでは、VTのまとめです。
投資対象:全世界(先進国+新興国)
経費率:0.09%(100万円投資しても900円)
チャート:右肩上がりで成長
リターン:9.58%(直近10年)
次回は、VOOとSPYについて解説していきます。