楽天証券では買付手数料無料の米国ETFが9銘柄ある【第5回目】
楽天証券に限った話ではありませんが、一般的に日本の証券会社で米国ETFを購入する際には買付手数料がかかります。
楽天証券では通常は約定代金の0.495%(上限22米ドル)の手数料が必要になるのですが、楽天証券が指定する米国ETF9銘柄は買付手数料が無料です(2021年5月5日現在)。
投資をする上では手数料などのコストを如何に抑えるかは重要な要素になります。買付手数料が無料ということはその分だけ投資のリターンを高めることができ、利用しない手はありません。
しかもありがたいことに、9銘柄中6銘柄が経費率が安く汎用性のあるETFです。これを組み合わせるだけでポートフォリオを組めるくらい充実したラインナップになっています。
前回は、RWR(SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF)を解説しました。まだ読んでいない人は、下記の記事も参考にしてください。
今回は、GLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)を解説していきます。
GLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)~金に手軽に投資~
GLDMの概要
GLDM(SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)は、金に投資することができるETFです。
金に投資する方法としては、金ETF以外にも純金積み立てや金鉱株(金鉱山を所有する会社の株式)などいくつか種類があります。
金現物を購入するという投資方法もあるのですが、金の保管や盗難対策などの費用を考えると金ETFで投資する方が簡便に投資しやすいと思います。
GLDMは、設定日が2018年6月25日と運用開始してから日が浅いです。というのも、同じステートストリート社のGLDというETFの後発にあたるのがGLDMというわけです。
この2つはほぼ同じようなETFですので、これから金に投資する場合には、GLDMの方が経費率が安くおすすめです。
経費率は、0.18%と金ETFの中ではコストが安いです。100万円を運用して年間で1800円の経費がかかります。100万円で1800円の経費であれば、現物で金を保有した際の諸費用よりも安いのではないでしょうか。
GLDMは、LBMA午後金価格に連動する運用を目指します。LBMA午後金価格とは、ロンドン地金市場協会(LBMA)が午後決め値(午後金価格)として公表するものです。
チャート~GLDM~
GLDMのチャートは、以下のとおりです。設定来おおよそ右肩上がりで推移していますが、2018年6月26日から運用開始ということで約3年間のデータしかありません。
そこでGLDMとほぼ同じで運用年数が長いGLDのチャートを比較してみます。GLDMの設定日からの比較になりますが、GLDMとGLDのチャートが一致していることがわかります。
GLDMの経費率は0.18%、GLDの経費率は0.40%と違いはあるのですが、過去3年くらいではリターンに差が無いようです。
GLDMの設定日以前のチャートはGLDのチャートで代用してみます。
直近3年間は右肩上がりのチャートになっていましたが、もっと長い期間のチャートを見るとまた違った印象を受けます。
2012年をピークに下落し、2020年から再度上昇していることが分かります。この後はどのような値動きをするか注目です。
チャート~GLDM (GLD)vs VOO~
GLDM(GLD)とVOOのチャートを比較(過去5年間)してみました。過去5年間はGLDM(GLD)も好調な期間でしたが、それでもVOOが圧勝していることが分かります。
しかし、GLDM(GLD)の強みは暴落耐性があるということです。VOOがコロナショック時に大暴落しているのですが、GLDM(GLD)はほぼ下落せずにその後は上昇してさえいます。
こういったことから、GLDMはあくまでもポートフォリオ全体のディフェンシブさを高めるために少し加えるくらいでちょうど良いと思います。
購入対象者
VTやVOO(VTI)などのポートフォリオのコアになるETFに投資をしており、ポートフォリオ全体のディフェンシブさを高めたいという場合に検討すべきETFだと思います。
そもそも金ETFは株式や債券のように配当金が出ないため、資産を増やすというよりも資産を減らさないために利用すべきではないでしょうか。
VOO(VTI)にリターンで大きく劣ることやそれ自体が配当金を生み出さないことを考えると、資産形成初期段階(資産拡大期)やリスク許容度の高い人には不要なETFではないかと個人的に思います。
まとめ
それでは、GLDMのまとめです。
投資対象:金(LBMA午後金価格に連動)
経費率:0.18%(100万円投資すると1800円)
チャート:過去5年間は右肩上がりで成長 ※GLDで評価
リターン:約7%(直近5年) 約2%(直近10年) ※GLDで評価
その他:ポートフォリオ全体のディフェンシブさを高めるETF
次回は、これまでに紹介してきたETFでポートフォリオを作成してみたいと思います。