今回紹介するのは「3月の株主優待でクオカードがもらえてかつ高配当の学習塾」です。
この銘柄は、高配当でありながら株主優待もあるという点で非常に注目が高いといえます。
3月が権利確定月の銘柄は非常に多いため、何に投資してよいか悩んでしまいがちです。
企業の概要や事業内容、業績、配当金などを徹底解説しているので、投資の参考にしてください。
それでは、最後までお付き合いください。
なお、本記事の内容は動画も作成しました。気になる方は、以下の動画も参考してください。
※動画作成日と記事作成日が異なるため、内容が少し異なります。
学究社(9769)
概要
今回解説する銘柄は、学究社です。
学究社は1976年に設立され、中学・高校・大学の受験指導を行う進学塾を運営しています。
学究社が展開する「ena」という学習塾は、東京都内を中心に展開しているため、全国的な知名度は低いと思います。
実際に「ena」の場所を調べてみると、ごく一部を除いて東京都内に校舎があります。
下の図は「ena小中学部」と「ena最高水準」の校舎の位置になりますが、ほんの一部が神奈川県相模原市や川崎市に展開しているだけです。
つまり、東京都内に強みのある学習塾ということで全国的な知名度はあまりないというわけです。
ただ、都内には多くの教室があることから、都民なら知らない人はいないくらい有名な学習塾といえます。
事業内容(セグメント)
それでは、学究社の事業内容(セグメント)を見ていきましょう。
が厩舎のセグメントは、売上高の多い順で「教育」「その他」「不動産」になります。
「教育」が売上高の約95%を占めており、学習塾の運営が主要な事業です。
また自社で不動産を所有しており、そこからの収益が「不動産」に含まれています。
では、学究社の運営する学習塾について見ていきましょう。
下の図は、学究社が展開している学習塾のブランド名になります。
学習塾の対象者は、小学生から大学生までと非常に幅が広いです。
そして、指導スタイルが「集団」or「個別」、指導科目が「通常の受験」or「芸術・看護系」などほぼすべてが網羅されています。
この中でも特に、中学受験と高校受験に力を入れているようです。
実際に「都立中高一貫校」と「都立難関高」の合格実績では他の学習塾を圧倒する実績を残しています。
東京都内には都立以外にも有名私立高校が多数ありますが、「都立中高一貫校」と「都立難関高」の実績ではNo1といっても過言ではないはずです。
そういった意味では、学究社は圧倒的な実績を残しており、学習塾としてブランドを確立しています。
株価
まず、株価の2年チャートを見ていきます。
2020年3月のコロナショック時は、直近の株価1400円が1000円を割り込むまで下落する場面がありました。
2020年4月には緊急事態宣言が発令されたこともあり、学習塾を含む多くの経済活動が停滞していたのは記憶に新しいところです。
その後は、社会全体として新型コロナの対応が進んできたこともあり、徐々に株価が上昇しています。
2021年末には株価が1500円を突破してコロナ前の水準を超えました。
そして2022年2月の第3四半期決算発表が好感され、株価が1600円を突破しています。
次に、 株価の10年チャートを見ていきます。
過去10年間の株価推移を見ると、2年チャートとは異なった見え方になります。
現在の株価1652円は、コロナ前の株価1400円を超えていますが、2018年6月の株価1900円台からはまだ低い水準です。
最近になって、来期からの中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)が発表されました。
この中期経営計画の基づいて更に業績を改善して株価を高めていくことができるかが注目ポイントになります。
売上高
それでは、学究社の売上高推移を確認していきましょう。
成長している企業であれば、売上高は毎年のように増加しているはずですが、どうでしょうか。
売上高の推移はほぼ右肩上がりになっていて、増加傾向であることが分かります。
つまり、学究社は現在も成長中の企業といえそうです。
特にコロナの影響を最も受けたであろう2021年3月期に売上高が減っていないのがすごいなと思いました。
多くの業界で売上高が低下して苦戦する中、オンライン型の新しい授業スタイルを取り入れていくなど、企業努力で乗り越えています。
そして、来期(2023年3月期)以降の売上高は、以下のような計画を見込んでいます。
今後も年10%程度の売上高の増加を目標としています。
EPS
次に、学究社のEPSの推移を確認していきましょう。
EPSは1株純利益のことで、利益がどれだけあるかを示す最も重要な指標です。
このEPSが増加していれば、利益が増加しているといえます。
結果はというと、多少の増減はありますが増加傾向になっています。
また、今期(2022年3月)のEPSは前期の約1.3倍と大幅に増加する予想です。
2015年から2020年の間は、EPSがほぼ横ばいになっていて成長に陰りがあるように見えていましたが、今期はそこから一気にEPSを伸ばしています。
自己資本比率
次に、学究社の自己資本比率の推移です。
自己資本比率が高いほど、財務の健全性が高く倒産しにくい企業といえます。
自己資本比率は約50%前後で推移していて、2021年3月期は43%とここ数年では一番低くなっています。
しかし、今期はEPSが過去最高値になる予想なので、自己資本比率の改善されることを期待しているところです。
このままズルズルと下落していくようだと財務的に問題はありますが、おそらく40~50%の間で自己資本比率は推移していくのではないでしょうか。
配当金
学究社の配当金を確認していきます。
過去10年間の配当金は概ね増加傾向であることが分かります。
2016年から2020年は、1株配当が60円と5年連続で同じ金額の配当金でした。
なぜ配当金の増配ができていなかったかというと、2016年から2020年にかけてEPSが停滞していたことが理由です。
配当金はEPSから捻出するため、EPSが毎年増加傾向でないと配当金の増配を継続するのは難しいといえます。
そして気になる今期の配当金は、前期から10円増配の75円です。
しかも、株価が急上昇した後の株価で配当利回りを計算しても約4.9%と高配当銘柄になりました。
現在の株価1652円で計算すると、配当利回りは4.5%と高利回りです。
株主優待
学究社は、株主優待もあります。株主優待でもらえるのは、オリジナルの1000円分のクオカードです。
以下の写真は、前期にいただいたクオカードの写真です。
クオカードはほぼ現金と同じように使えるため、個人投資家に人気のある株主優待でもあります。
現在の株価1652円で計算すると、優待利回りは0.6%です。
つまり、配当金と株主優待の利回りを合計した総合利回りは5.1%になります。
学習塾は早稲田アカデミーや東京個別指導学院も総合利回りが高く投資対象として魅力的ですが、学究社も投資先の選択肢の1つになりそうです。
まとめ
今回は「3月の株主優待でクオカードがもらえてかつ高配当の学習塾」を紹介しました。
この銘柄は、高配当でありながら株主優待もあるという点で非常に魅力的です。
3月権利確定の銘柄は非常に多いので、何に投資するかは事前に戦略を立てておきましょう。
ぜひ投資の参考にしてください。
学究社の過去記事です。
決算を分析しているので、決算分析の勉強にもなります。
同じ学習塾だと、早稲田アカデミーもおすすめの銘柄です。
2月が権利確定月ではありますが、東京個別指導学院もおすすめの銘柄です。