今回紹介するのは、東京個別指導学院です。
東京個別指導学院は、高配当銘柄でありながらも株主優待が充実している銘柄で、投資を検討している個人投資家も多いのではないでしょうか。
そして2月が権利確定月であるため、配当金や株主優待が集中しやすい3月から分散できるのも魅力の1つです。
また、株価が低く約6万円で投資可能な銘柄であり、資金が乏しい投資初心者も投資を検討することができます。
それでは東京個別指導学院の銘柄を解説していくので、最後までお付き合いください。
東京個別指導学院
概要
東京個別指導学院は、首都圏や関西を中心に個別指導型の学習塾を運営しています。
2007年からベネッセホールディングスと資本・業務提携をしており、現在では子会社になっています。
首都圏では「東京個別指導学院」、関西圏では「関西個別指導学院」という名称で展開しているのでご存じの人も多いのではないでしょうか。
個別指導塾の特徴としては、集団学習塾よりも1人1人に応じたカリキュラムを作成・指導できることにあります。
少子化はこれからもますます進展していくので、学習塾全体では大きな売上高の拡大は見込めないと思います。
しかし、学習塾に通わせる保護者や生徒の多様なニーズに応えやすい個別指導塾は、これからのトレンドになるのではと予想しています。
株価
まず、株価の2年チャートを見ていきます。
2020年7月に株価が一時500円を下回ることもありましたが、それ以降は570円~700円のレンジで株価が推移しています。
現在の株価605円は、直近2年間では平均的な株価です。極端に割高な株価水準ではありませんので、投資しても良いかなと思える株価といえます。
次に、株価の10年チャートを見ていきます。
2017年までは株価が順調に上昇し、一時は1500円を超えるまで株価が高騰しています。
「株価の上昇=業績の拡大」を意味するので、東京個別指導学院の売上と利益が急拡大していた時期であったことが株価から想像することができます。
ところが、2019年以降は株価が徐々に下落し始め、そのままコロナショックに巻き込まれる形になりました。
今度は「株価の下落=業績の悪化」を意味するので、売上や利益が横ばいor停滞していたのではと想像できます。
そしてコロナショックの2020年3月以降は株価の上下はほとんど見られず、コロナの影響は薄れてきたものの、株価を上昇させるほどの良い材料が無いことがチャートから分かります。
売上高
過去10年間の売上高の推移です。これを見ることで、東京個別指導学院の売上高が拡大・縮小しているか把握できます。
基本的には、売上高は毎年のように順調に成長しています。
さすがに新型コロナの影響が最も大きい2021年2月期の売上高は減少しましたが、それ以降は売上高が回復しています。
売上高の成長を見ると、既にコロナの影響は薄れつつあるようです。
2022年2月期の売上高はコロナ前よりも増加していますし、2023年3月期の売上高予想は更に増加することが見込まれています。
EPS
次にEPSの推移を確認していきましょう。
EPSは1株純利益のことで、利益がどれだけあるかを示す最も重要な指標です。
このEPSが増加していれば、1株あたりの利益が増加しているといえます。
2013年から2018年まではEPSが順調に増加しています。この期間は、株価が上昇していた時期と重なります。
その後はEPSの成長が止まり、コロナの影響が最も大きい2021年2月期のEPSは4.66円と大幅に減少しました。
2022年2月期は前期から大幅な回復を見せましたが、コロナ前の水準までは戻り切りませんでした。
そして2023年2月期もコロナ前のEPSまでは届かない予想です。
売上高はコロナ前よりも増加していますが、EPSがコロナ前よりも増加していないため、株価がコロナ前の水準まで戻していないと考えられます。
自己資本比率
次に自己資本比率の推移を確認していきましょう。
自己資本比率は、会社の財務的な安定性(倒産のしにくさ)を表す指標です。
この数値が高いほど財務的に安定性があり、低いほど財務が不安定であること意味します。
東京個別指導学院の自己資本比率は、やや減少傾向ではありますが、自己資本比率が70%前後を維持できているので問題ありません。
業種によって異なりますが、一般的に70%を超えると財務優良、10%を下回ると倒産の危険性があると判定されることが多いです。
株式会社が倒産してしまうと株は紙切れになりますし、倒産まで行かなくとも倒産寸前の会社の株価は徐々に下がっていきます。
自己資本比率を注意深く観察し、倒産の危険性をいち早く察知する必要があります。
ROE
次にROEの推移を確認していきましょう。ROEは自己資本利益率と呼ばれます。
この指標は自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合のことで、株主が出資した資本に対して企業がどれだけ利益を上げているか表しています。
一般的に、ROEが高いほど株主資本を効率よく活用して利益を上げることができている状態です。
日本企業では、ROEが8%以上かどうかが効率よく経営できているかの1つの目安になります。
東京個別指導学院のROEは、直近10年くらいは10-20%です。平均的なROE8%を上回っています。
この結果からは、東京個別指導学院が株主資本を効率よく活用して経営していることが読み取れます。
しかし、ROEが高ければ高いほど良いかというとそうではありません。
ROEが高いというのは、自己資本が少ない状態(自己資本比率が低い)で経営している場合もあります。
つまり、ROEが高い理由は2つ考えられます。
- 効率よく利益を確保できている(経営が上手)
- 自己資本比率が低い状態で経営(財務状態が悪い)
東京個別指導学院は自己資本比率が70%と高いことから、②の理由でROEが高いわけではありません。
つまり、株主資本を効率よく活用して利益を確保できているといえます。。
配当金
次に東京個別指導学院の配当金を確認していきます。
配当金は2017年から1株26円(100株で2600円)です。
増配はしていませんが、安定して配当金を出し続けていることが分かります。
現在の株価で計算すると、配当利回り4.3%と高配当株銘柄としても合格点です。
増配できていないのは少し残念ですが、安定して配当金を出し続けているのは頼もしい銘柄といえます。
株主優待
東京個別指導学院は、株主優待もあります。
100株保有で権利がもらえることから、約6万円の投資で株主優待を獲得できます。
東京個別指導学院の株主優待はかなり充実していて、以下の8種類から選べます。
この中で一番お得なのは、図書カード(1500円分)です。
図書カードを使う機会のある人は、最も還元率の高い図書カードを選ぶと良いでしょう。
もし図書カードを使わない人であっても、使い勝手の良さそうな商品がそろっているので選ぶものがないということは無いはずです。
仮に図書カード1500円分で利回りを計算すると、2.5%です。
配当利回りと合算した総合利回りは約7%になります。
約6万円で投資できてかつ配当利回りが約7%もあるので、初心者の投資家にもおすすめの銘柄です。
まとめ
今回は、東京個別指導学院の銘柄分析をしました。
東京個別指導学院は、高配当銘柄でありながらも株主優待が充実している銘柄です。
配当利回りと優待利回りを合わせた総合利回りが7%もあるので、投資を検討する価値があります。
一方で、売上高は増加しているものの利益が増加していないため、株価は停滞気味です。
ぜひ投資の参考にしてください。
同じ学習塾の銘柄では、学究社もおすすめです。
この銘柄も高配当かつ株主優待が充実しているので、投資を検討する価値があります。