TOPIXとは?
前回は日経平均株価について説明しました。
そして今回は、日本の株価指数では日経平均株価と並んで有名なTOPIXについて調べてみました。
TOPIXという言葉も日経平均株価と同様に経済ニュースでは毎日取り上げられており、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
一方で、日経平均株価はその言葉から意味をなんとなく予想することができますが、TOPIX(Tokyo Stock Price Index)はそれが難しいですね。
そんなTOPIXをできる限り分かりやすく説明していきますので、ご一読ください。
なお、前回の記事を読んでいない方はこちらも参考にしてください。
TOPIX(東証株価指数)は東証一部全銘柄を対象とした株価指数
TOPIX(東証株価指数)とは、東証一部上場企業の全銘柄を対象とした株価指数で、日経平均株価と並んで日本の株式市場で最も利用されている代表的な株価指数の1つです。
日経平均株価の値動きでも株式市場全体の値動きを把握することができますが、TOPIXは東証一部上場企業の全銘柄を対象としているため、全体の値動きをより正確に把握することが可能です。
また、TOPIXは時価総額合計を用いていることから、日経平均株価のように株価の高い値嵩株の影響を受けにくくなっています。
このように、TOPIXと日経平均株価には違いがあるということをまずは把握しましょう。
それでは、TOPIXの構成比率上位15銘柄を表にまとめました。
トヨタ自動車 | 日本電産 | NTT |
ソフトバンクグループ | 信越化学 | 村田製作所 |
ソニー | 三菱UFJFG | 第一三共 |
キーエンス | リクルートHD | ダイキン工業 |
任天堂 | 武田薬品 | HOYA |
日経平均株価の上位構成銘柄と比較すると、名前を聞いたことのある有名な企業が多いのではないでしょうか。
まず、トヨタ自動車は日本が世界に誇る自動車メーカーです。時価総額は日本企業で最大ということで、TOPIXの構成比率では1位になっています。トヨタ自動車は日経平均株価の構成銘柄でもありますが、構成比率は約1%と日経平均株価ではやや影響度が少ない銘柄でした。
次は、ソフトバンクグループです。日経平均株価の構成比率上位銘柄としてもランクインしていた企業です。日経平均株価およびTOPIXの両方で上位にくるということは、株価が高い値嵩株で時価総額も大きい企業ということが分かります。
次は、ソニーです。ソニーも言わずと知れた世界に誇るメーカーであります。ソニーで私が連想するのは、ウォークマンやプレイステーションくらいしかありませんが、他にも事業を多角的にやっているそうです。
この3社が構成率の高いトップ3銘柄となっています。この3銘柄の構成比率は約9%です。
日経平均株価は上位3銘柄で約25%を占めていたことを考えると、TOPIXの方が1銘柄の影響を受けにくく市場全体を表しているといえそうです。
TOPIXの計算方法は?
それでは、TOPIX(東証株価指数)の計算方法について説明します。
TOPIXは●●円ではなく、○○ポイントとと表記されます。日経平均株価が△△円で表現されるのと異なり、TOPIXはポイントで表記されるというのは覚えておきましょう。
なぜ円ではなくポイントで表記されるかというと、TOPIXはある基準日の時価総額を基準値として現在の時価総額を指数化して計算されるからです。
1968年1月4日が基準日で、その日の終値の時価総額を100ポイントにしています。
そして、現在の時価総額がその基準値と比較してどの程度増減したかを計算して▲▲ポイントと表現しているというわけです。この計算方式は時価総額加重平均と呼ばれ、基本的にはこの方式に基づいて計算されています。
TOPIXを含めた時価総額加重平均で算出された株価指数は、大型株(時価総額の大きい)の株価に影響されやすく、小型株(時価総額の小さい)の株価に影響されにくいという特徴があります。
そのため、小型株が軒並み下落した場合でも大型株が下落しなければ、TOPIXはそれほど低下しないというわけです。もちろん、大型株が上昇や下落をすれば小型株の値動きに関係なくTOPIXもその動きに追従する場合が多いです。
ただ、単純に時価総額をベースにした株価指数のため、企業間の株式の持ち合いによる時価総額の二重カウントが発生するという問題が発生していました。この問題については、時価総額加重平均から浮動株を基準とした算出に変更することで対応した経緯があります。
TOPIXのまとめ
長くなってしまったので、次回もTOPIXの解説をしていきます。
ここまでのことを簡単にまとめました。
- 東証一部上場企業の全銘柄を対象とした株価指数
- 時価総額加重平均(ただし、浮動株を基準とする)
- 大型株の株価に影響されやすい ⇔小型株の株価に影響されにくい
- 構成比率の高い上位3銘柄で約9%を占める ⇔日経平均では約25%