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【VYM】配当金が欲しい投資初心者におすすめ米国高配当ETFを解説

VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)とは

VYMの特徴

VYMは、バンガードが運用する米国高配当ETFです。前々回・前回解説したSPYDとHDVも米国高配当ETFですが、VYMもそれらのETFとは異なるコンセプトで運用されています。

SPYDとHDVの記事も参考にしてください。

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VYMの話をする前に、高配当ETFに関する一般的な話をします。

高配当株は、業績の低迷や成長性が見込めないといった理由から株価が低迷しており、結果的に配当利回りが高いということがあります。

そして高配当ETFは、上記のような銘柄を含んでいる可能性があることを知っておきましょう。

ETFは、銘柄を選定する基準や連動を目指す指数(インデックス)をもとに運用されています。どのように運用されているETFなのかをしっかりと理解することが大切です。

そのことを理解していないと、同じ高配当ETFであるSPYDやHDVとの違いを十分に把握することができず、自分の投資目的と異なるETFに投資してしまう可能性があります。

それでは、前置きが長くなりましたがVYMについて解説していきます。

VYMの構成銘柄

VYMは、米国の大型株のうち配当水準が平均以上の約400銘柄に時価総額加重平均で分散投資しているETFです。

FTSEハイデ ィビデンド・イールド指数(平均以上の配当を出す米国大型株で構成される指数)に連動する投資成果を目指しています。

これまでに紹介してきたSPYDが80銘柄、HDVが75銘柄であったことから、VYMの約400銘柄はかなり分散していると言えます。

VYMの銘柄の入れ替えは1年に1回行われるため、時期によって構成銘柄は異なります

それでは、構成銘柄のうち上位10銘柄を見ていきましょう。

出典:ETF.com

まず、注目すべきは上位10銘柄で23.56%を占めるという事実です。

約400銘柄に分散しているので均等に投資していたら、1銘柄当たり0.25%、10銘柄で2.5%になります。

なぜこのような差が出てしまうかというと、時価総額加重平均で分散投資しているためです。

時価加重平均は、時価総額の大きい銘柄(≒大きい会社)に多く投資し、時価総額の小さい銘柄(≒小さい会社)に少なく投資します。

つまり、400銘柄に分散という言葉のイメージに惑わされることなく、どういった銘柄がどの程度の割合で組み入れられているかを必ず確認してください。

ETFに投資する際には、上記のことをしっかりと理解しておきましょう。

それでは、具体的な銘柄を見ていきます。

一番比率が高いのは、JPモルガンです。米国最大級の金融機関になります。

次に比率が高いのが、ジョンソン&ジョンソンです。世界でも有数のヘルスケア企業で、日本でも有名な商品をいくつも販売しています。

それ以外では、P&Gやファイザー、エクソンモービルなどHDVやSPYDに含まれている銘柄になっています。

このように、ETFが違っていても採用されている銘柄が一部同じという場合もあります。

VYMの構成セクター

セクター別に分析してみると、金融や生活必需品、ヘルスケアが多いことがわかります。

金融の比率が低かったHDVと比較すると、VYMでは金融が約20%と大きな割合を占めています。

当然、ETFごとに銘柄や投資比率が異なるため、構成セクターはETFの特徴を反映しています。

出典:ETF.com

VYMのチャート

それではチャートを見ていきましょう。基本的には右肩上がりになっています。

昨年のコロナショック時はどうだったかというと、SPYDやHDVと同様に暴落しています。

しかし、VYMは約30%の下落、HDVは約35%の下落、SPYDは約45%の下落しました。

つまり、HDVとSPYDよりは暴落耐性があると言えます。このあたりは、同じ高配当ETFでもVYMの強みでしょう。

また、高配当株投資では暴落したタイミングを狙って投資することをお勧めしてきましたが、VYMのように株価の上昇を見込める場合には、定期的に投資していくのも1つの選択肢です。

※SPYDとHDVも株価の上昇が見込めますが、VYMのほうがきれいな右肩上がりになっています。

出典:マネックス証券銘柄スカウター

VYMの配当金

VYMの配当金は、年に4回もらうことができます。過去数年間の配当金は以下のとおりです。

直近1年では、配当金:2.97ドル・配当利回り:2.9%です。配当利回りは株価によって日々変動しますが、3%弱の利回りがあります。

高配当株ETFといっても、SPYDやHDVと比較すると利回りが低い傾向があります。

ただし、利回りが低いものの株価の上昇による利益(キャピタルゲイン)はVYMが最も期待できます。

このように同じ高配当ETFでも特徴が異なることを理解し、自分の投資目的に沿ったETFを選ぶようにしましょう。

出典:マネックス証券銘柄スカウター

配当金をグラフで見てみると、時期によって配当金が多少異なりますが、0.6-0.8ドル前後は配当があるようです。

出典:マネックス証券銘柄スカウター

投資すべき人:米国高配当ETFの初心者

以上のことから、どういった人がVYMに投資すべきか考えました。

それは、米国高配当ETFの初心者です。

VYMの特徴としては、そこそこの配当金と株価の値上がり益の両方を狙うことができます。

そして、SPYDとHDVと比較して暴落耐性(ただし、コロナショックでは約30%の暴落)があります。

これらのことから、これといった大きな弱点がなく平均点が高いETFと言えます。

逆に言えば、あまり特徴のないオーソドックスなETFという印象を個人的に持っています。

つまり、銘柄選びに慣れていなく知識も乏しい投資初心者が、米国高配当ETFの一歩目として投資すべきETFといえます。

銘柄選びで迷ってしまった場合は、まずはVYMから始めると良いでしょう。

管理人の投資状況

保有数:40株

管理人もVYMを40株保有しています。

平均取得価額は83.3ドルです。コロナショック時に投資したこともあり、現在の102ドルよりも安い時に仕込んでいます。

VYMに投資したのは、投資を始めて1か月くらいの時でした。そのため、当時は配当利回りの低いVYMに魅力を感じていませんでした。

投資方針:暴落時に追加投資する

管理人の投資方針としては、このまま保有し続けて配当金をもらい続けます。約20%ほどの含み益がありますが、SPYDとHDVと同様に売却して利益は確定しません。

この理由については、高配当ETFは配当金目当てで投資しているからです。利益が出ているからといって売却してしまうと配当金がもらえなくなってしまいます。

また、暴落時に追加投資することを考えています。これもSPYDとHDVと同じです。

暴落はいつ来るか予想できないため、現金は常に手元に残しておくようにしましょう。

ここのところ世界的に相場が不安定になっているため、いつでも動けるようにしています。