VYM・HDV・SPYDのリターンを比較
VYM・HDV・SPYDは、米国の高配当ETFとして知られています。そして日本においても非常に人気があり、特に配当金目当ての投資家からは絶大な支持を得ているETFです。
そこで今回は、VYM・HDV・SPYDに実際に投資している管理人の含み益を完全公開します。
米国高配当ETFに興味がある人や投資初心者向けに記事を解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。
VYM・HDV・SPYDの比較については、以下の記事にまとめています。
2022年6月の運用成績は、以下の記事を参考にしてください。
VYM・HDV・SPYDのリターン(3年)
まずは、VYM・HDV・SPYDの直近3年のリターンです。
2020年3月にコロナショックが発生し、VYM・HDV・SPYDは全て下落しました。一時は直近の高値から30%以上下落するなど、当時は投げ売り状態であったことがわかります。
その中でもSPYDは下落幅が約50%と最も大きく、さらに下落からの回復が一番遅かったのは記憶に新しいところです。
しかし、2021年に入ってからはSPYDのリターンがHDVを上回り、SPYDが絶好調な一年間でした。
そして2022年になると、世界的なインフレ加速やウクライナ情勢の悪化などで株式市場が大荒れの展開を迎えています。米国の株式市場も例外ではなく、年始からのリターンはマイナスのままです。
2022年9月現在、インフレ終息の見通しが立たないことや資源価格の高騰による経済活動の混乱が継続していて、株式市場も乱高下を繰り返す荒れた展開を迎えています。
VYM・HDV・SPYDのリターン(1年)
次に、VYM・HDV・SPYDの直近1年のリターンです。
1年前を基準にリターンを比較すると、2022年9月現在ではVYM・HDV・SPYDすべてがプラスのリターンです。
その中でもHDVが最もリターンが高くなっています。というのも、HDVの構成銘柄はエクソンモービルやシェブロンなどインフレに強い石油関連の銘柄の割合が高いためです。
インフレの時は石油銘柄に投資すべきというのは今回身をもって経験したので、次回のインフレ時にその経験を生かしたいと思います。
VYM・HDV・SPYDのリターン(3か月)
次に、VYM・HDV・SPYDの直近3か月のリターンです。
3か月前を基準にリターンを比較すると、VYM・HDV・SPYDの全てがマイナスのリターンです。
1年間のリターンではHDVが最も高く、3か月のリターンはVYMの方がリターンが高くなっています。
この原因としては、ここ数か月の間に石油株のブームが落ち着いてきたためです。そのため、石油株の比率の高いHDVのリターンがやや軟調になり、結果的にVYMのリターンを下回っています。
それでは、VYM・HDV・SPYDを1つ1つ詳しく見ていきます。
VYM
概要
VYMは、米国株のうち以下の条件を満たす約400銘柄に時価総額加重平均で投資しています。
- 米国の大型株(大企業・時価総額が大きい)
- 平均以上の配当
VYMの詳細については過去に解説しているので、参考にしてください。
VYMの投資状況と含み益(円換算)
それでは、VYMの投資状況と含み益(円換算)を確認していきます。
VYMは40口保有していますが、含み益はどのくらいあるでしょうか。
含み益は「+254,637円・+72.26%」と十分にプラスのリターンです。
最近の円安ドル高の流れもあり、円換算した場合にはドル資産の評価額が高くなります。
VYMの投資状況と含み益(ドル換算)
次に、VYMの投資状況と含み益(ドル換算)を確認していきます。
円換算では大幅なプラスのリターンでしたが、はたしてどうなっているでしょうか。
含み益は「+925.76ドル・+27.77%」とプラスのリターンになっているものの、円換算に比べてリターンは低いです。
これは先ほども触れたように、円安ドル高の影響を大きく受けています。2022年から円安ドル高が一方的に進み、現時点では1ドルは約140円です。
円安ドル高の背景としては、米国ではインフレ抑制のために政策金利を急ピッチで上げており、日米の金利差が急拡大していることが要因の1つになります。
HDV
概要
HDVは、米国株のうち以下の①~④の条件を満たす75銘柄に分散投資しています。
- 配当水準が比較的高い
- 配当の持続性がある
- 財務健全性が高い
- ビジネスに競争優位性がある
HDVの詳細については過去に解説しているので、参考にしてください。
HDVの投資状況と含み益(円換算)
それでは、HDVの投資状況と含み益(円換算)を確認していきます。
HDVは81口保有していますが、含み益はどのくらいあるでしょうか。
含み益は「+496,589円・+71.66%」とVYMと同じくらいのリターンです。
ほぼ同じくらいの時期に投資したことから、投資開始から現在までのリターンはほとんど大差ないという結果になりました。
HDVの投資状況と含み益(ドル換算)
次に、HDVの投資状況と含み益(ドル換算)を確認していきます。
含み益は「+1775.34ドル・+27.02%」とプラスのリターンではありますが、円換算に比べてリターンが低下しています。これは円安ドル高によるものです。
為替の影響は今回の場合だとプラスに作用していますが、円高になるとドル資産の評価額は下落します。米国ETFに投資するというのは、為替の影響も大きく受けるということを覚えておきましょう。
SPYD
概要
SPYDは、米国株のうち以下の条件を満たす80銘柄に均等分散で投資しています。
- 構成銘柄はS&P500から選ぶ
- 配当利回りの高い上位80銘柄を選定
SPYDの詳細については過去に解説しているので、参考にしてください。
SPYDの投資状況と含み益(円換算)
最後に、SPYDの投資状況と含み益(円換算)を確認していきます。
SPYDは135口保有していますが、含み益はどのくらいあるでしょうか。
含み益は「+360,980円・+83.19%」とVYM・HDVよりも大きなリターンです。
VYM・HDVとほぼ同時期に投資したことから、SPYDの株価(基準価額)がコロナショックの回復途上で投資できたことがリターンの差に表れています。
SPYDは他のETFと比べて暴落耐性が無いという欠点があります。逆に言えば、暴落時に投資すれば大きなリターンを狙えるわけです。
SPYDの投資状況と含み益(ドル換算)
次に、SPYDの投資状況と含み益(ドル換算)を確認していきます。
含み益は「+1442.01ドル・+34.87%」とプラスのリターンになっているものの、円換算に比べてリターンが低下しているのは為替の影響です。
まとめ
VYM・HDV・SPYDに実際に投資している管理人の含み益(2022年9月時点)を完全公開しました。
2022年はインフレの進行やウクライナ情勢の長期化により、世界的な株価下落が引き起こされています。
そういった中でも含み益を維持できているのは、コロナショック後に投資をできた(タイミングが良かった)ことが理由の1つです。
また、円安ドル高が進んだことで、円換算とドル換算の評価額やリターンに大きな差が生じています。
2022年から投資を始めた投資家にとっては、非常に苦しい年になっていると思います。しかし、下落局面は絶好の投資機会です。
決して狼狽売りに走らず、淡々と投資を継続していくことが大切です。そうすればいつかはリターンが持ち直してプラスに転じる場面がきっとやってきます。