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高配当株投資を始めてみよう②~高配当株投資とは何か(後編)~

高配当株投資とは何か(前回のおさらい)

今回も「高配当株投資」を説明していきます。簡単に前回のおさらいです。

高配当株投資とは、配当利回りの高い(概ね3%以上)株式に投資する手法のことです。例えば、100万円の高配当株(利回り5%)に投資した場合、1年間に得られる配当金は5万円になります。※税金は考慮せず。

これまでに紹介してきた、インデックス投資と高配当株投資の比較を表にまとめました。なお、インデックス投資はS&P500に連動する投資信託を仮定しています。

まずは、両者の違いについてあらためて確認していきましょう。前回は「投資スタイル」「配当金」「再投資」を説明したので、「投資時期」から再開します。

インデックス投資
(S&P500に連動する投資信託を仮定)
高配当株投資            
投資スタイルインデックス運用アクティブ運用
配当金無しあり
再投資自動自分で配当金を再投資
投資時期重要ではない(定期積立)重要
投資対象の選定ファンドマネージャーが選定自分で選定
難易度初級者中級者以上
※話を簡単にするため、正確性は欠けますのでご了承ください。

高配当株投資は投資時期が重要

高配当株投資は投資時期が重要です。いや、投資時期が全てというくらい超重要です。

ではなぜ重要かというと、高配当株は基本的に株価上昇があまり期待できないことから、いかに配当利回りが良い時期に購入して配当金を多く受け取れるかが鍵になってくるからです。

もう少し例を交えて説明しましょう。

下の表のように、通常時の株価が1000円で配当金が50円の株があったとします。この株は、通常時であれば配当利回り5%の高配当株です。

ところが、何らかの理由により株価が2倍の2000円まで高騰したとします。この時期に購入すると、株価は上昇しているが配当金は50円のままのため、配当利回りは2.5%に低下した状態で購入することになります。

一方で、何らかの理由により株価が半分の500円まで暴落したとします。この時期に購入すると、株価は下降しているが配当金は50円のままのため、配当利回りは10%に上昇した状態で購入することになります。

投資時期高騰時     通常時     暴落時     
株価2000円1000円500円
配当金50円50円50円
配当利回り2.5%5%10%
100万円購入時の配当金2.5万円5万円10万円
投資時期の違いによる配当利回りの差※配当金は一定と仮定

以上のことから、株価が暴落したときに購入することで配当利回りを最大化することができ、高配当株の投資時期としては最適ということです。今回のコロナショックのような市場全体が暴落したときは、高配当株を仕込む絶好のチャンスだったというわけです。

ドル・コスト平均法で定期積立をすればよいインデックス投資とは異なり、投資時期でリターンが大きく左右されることが分かっていただけたでしょうか。

※株価が暴落しているときは、業績悪化や減配リスクなどが予想され一斉に売りに出されていることも覚えておいてください。落ちてくるナイフをつかむことで、致命傷を負う可能性もあるのでご注意を。

高配当株投資は自分で投資対象を選定する必要がある

高配当株投資は、自分で投資対象を選定する必要があります。投資時期と同じくらい超重要です。

もちろんインデックス投資であったとしても、どの指数に連動する投資信託(もしくはETF)を選ぶかは自分で考える必要があります。ただ、一度選んでしまえばあとは数10年ひたすら定期積立すればよいので、最初だけよく考えて選べばよいのです。

一方で、高配当株投資は投資対象を自分で選定する必要があります。配当利回りはどのくらいか、特定の業種に偏っていないか、投資時期は適切かなどを1つ1つの株に対して考え、投資するのは非常に大変です。

例えば、高配当株を30社投資したとすると、30社分の決算発表や業績などのニュースを確認する必要があります。業績が長らく低迷している場合には株式を売却したり、特定の業種に偏っていないかメンテナンスする必要もあります。ただ、この大変さが面白い部分でもあり、多くの投資家を引き付ける魅力でもあります。

優良な指数に連動する投資信託を購入すればよいインデックス投資とは異なり、投資対象を細かく自分で選定し、メンテナンスする必要があることを分かっていただけたでしょうか。

※高配当ETFに投資すれば、投資対象の選定も比較的簡単になります。このことについては、次回以降にまた解説します。

高配当株投資(前編・後編)まとめ

さて、前編・後編を簡単にまとめました。

高配当株投資の特徴
  • アクティブ運用
  • プロの投資家と闘う必要がある
  • 配当金があるのでFIREと相性が良い
  • 複利運用するには配当金を自分で再投資する必要がある
  • 投資時期が高配当の鍵(暴落時に仕込むとリターンが最大化)
  • 投資対象の選定・メンテナンスが大変

それでは、次回も高配当株投資を説明していきます。