三菱商事(8058)~定時株主総会の案内が届きました~
三菱商事(8058)から定時株主総会の案内が届きましたので紹介していきます。
事業内容
三菱商事は5大商社(三菱商事・伊藤忠商事・住友商事・丸紅・三井物産)の1つです。その中でも、三菱商事は1・2を争うほどの実績があります。まさに、日本一の総合商社といっても過言ではありません。
住友商事や双日の記事でも触れていますが、三菱商事もコングロマリット(相互関連性のない事業で形成された複合企業)という特徴があります。
住友商事と双日の配当金や定時株主総会の案内については、以下の記事を参考にしてください。
さて、三菱商事の事業を確認していきましょう。株主総会資料から事業内容を抜粋してみました。
- 天然ガス:天然ガスや原油の生産開発
- 総合素材:自動車や建設インフラ用の炭素・鉄鋼・機能素材
- 石油・化学:石油製品・メタノール・アンモニア・プラスチック・肥料
- 金属資源:原料炭・鉄鉱石・アルミ・非鉄の投資開発
- 産業インフラ:エネルギーインフラ・産業プラントや機械・船舶・宇宙航空
- 自動車・モビリティ:乗用車や商用車の販売及び販売金融
- 食品産業:食糧や生活消費財の製品製造
- コンシューマー産業:他領域へ商品サービスの提供・事業開発
- 電力ソリューション:発送電・電力小売・電池・水素
- 複合都市開発:都市開発・不動産・企業投資・リース・インフラ
事業は大きく分けて10個あります。その中でも資源分野に強みがあると言われています。
それでは、事業別(セグメント別)の当期純利益について見ていきます。
10個の事業のうち、純利益が増加した事業は「石油・化学」の1つだけです。それ以外の9つの事業は2019年度を比較して減益になっています。三菱商事と言えど、コロナショックによる影響はかなり受けたようです。
「石油・化学」の増益要因としては、前年度の原油デリバティブ取引関連の損失の反動です。つまり、2020年度の業績が良かったというわけではなく、前年度の一時的な損失がなくなったことで対前年度比の純利益が増えたというわけです。
次に、赤字となってしまった「自動車・モビリティ」と「コンシューマー産業」を見ていきましょう。
「自動車・モビリティ」が赤字に転落した主な要因としては、三菱自動車工業における持ち分利益の減少と海外投資先における固定資産の減損処理とのことです。
「コンシューマー産業」が赤字に転落した主な要因としては、ローソンあてのれん及び無形資産の減損損失です。
三菱商事に関連する企業の損失が大きくなったことで三菱商事の特定の事業が損失を計上したようです。コンビニや自動車などは、コロナの影響で客数の減少や工場の閉鎖で減収減益という苦しい事態になっていたことが想像できます。
当期配当金:6,700円(年間配当金:13,400円)
当期の配当金は6,700円でした。年間配当金は13,400円と前年度から200円の増配です。
過去の配当金推移を見てみると、2016年度から増配を継続していることが分かります。
2020年度は赤字にこそなってはいませんが、前年度比較して利益が3,600億円ほど低下してしまいました。そのような状況の中でも増配をしたのは、株主還元への企業の意地を感じます。
なぜこのような苦しい状態でも配当を増配したかというと、「中期経営戦略2021」では、持続的な利益成長に合わせて増配していく累進配当を掲げているため、少額でも増配せざるを得なかったのではと予想しています。
「中期経営戦略2021」の対象期間は、2019年度から2021年度までの3年間です。コロナの影響を大きく受けた2020年度は累進配当を掲げた2年目の年度ということもあり、増配という決断に至ったのでしょうか。
ただ、2021年度の年間配当金予定は13,400円(1株当たり134円)と2020年度と同じ配当金になっています。あくまでも予定ですので、三菱商事側が今年度の業績をかなり厳しめに予想した上での結果であることを祈りたいです。
配当利回り:5.4% 評価益:+55,885円
2020年度の配当利回りは、5.4%でした。
昨年の12月上旬に購入したこともあり、比較的割安な株価で購入することができています。業績はそれほど良くなかったのですが、配当は増配したこともあり配当利回り5%越えをキープしています。
総合商社では、三菱商事以外に住友商事と双日をそれぞれ保有しています。商社としての総合力や安定感を考慮すると、住友商事や双日を保有せずに三菱商事だけでも良かったかもしれません。
商社株は、グロース株のような急激な株価上昇は期待できません。投資する目的としては安定的な配当金だと思われるので、その点だけを考えると上記のような個人的な結論になります。
それではチャートを見ていきましょう。
コロナショックで暴落し、一時は2200円くらいまで下落しています。
その後は上げ下げを繰り返し軟調な動きになっていましたが、年明けの2021年1月になると急激に株価が回復しました。すでに、コロナショック前の水準に戻り、そこから少し高い株価で停滞しています。
昨年は、ウォーレン・バフェットが日本の総合商社に投資していたことが判明し、そのニュースで一時的に株価が高くなるという現象も起きていたのは記憶に新しいです。
それではどれくらい投資しているかというと、2490円で100株購入していました。3076円まで株価が上昇したことから、評価益も+55,885円と含み益が出ています。
今後の方針
総合商社株で株価上昇がそれほど期待できないことや安定的な配当が得られる可能性が高いことを考えると、そのままに保有し続けてみようと思います。
個人的には、配当利回り5%越えというのは1つの基準にしていて、税引後でも4%以上を確保できる目安になります。
株式投資でFIREをする身としては、4%ルールを意識しています。4%ルールを用いるためにも、配当利回り5%越えで購入できた銘柄は大切に保有していく方針です。