NYダウ・トリプル・レバレッジの投資を開始
以前からレバレッジETFや投資信託による短期投資に興味がありました。
米国株は11月から1月にかけて強気相場になることが多いため、米国株のレバレッジ投資信託を用いて短期投資の実験をするには最適な時期だと思っています。
楽天証券でレバレッジ投資信託を探した結果、ダウ・ジョーンズ工業株価平均の値動きの3倍程度を目指す投資信託「NYダウ・トリプル・レバレッジ」の投資を開始しています。
ニュースでよく「NYダウ」や「ダウ平均株価」などのフレーズを耳にすることがあると思いますが、この株価の3倍の値動きに連動する投資信託というわけです。
この投資信託は、以下のような特徴があります。
- ダウ・ジョーンズ工業平均株価の値動きの3倍に連動
- 組入銘柄数30社
- ハイリスク・ハイリターン
- 管理費用が高い(1.1%)
- 為替ヘッジあり
それでは、NYダウ・トリプル・レバレッジの解説をしていきます。
前回はNASDAQ100指数に連動する投資信託「eMAXIS NASDAQ100インデックス」の投資について紹介しているので、こちらも参考にしてください。
NYダウ・トリプル・レバレッジ
連動する指数
ダウ・ジョーンズ工業株価平均の値動きの3倍に連動する投資成果を目指しています。
ここでダウ・ジョーンズ工業株価平均についてまとめてみました。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、米国株式市場に上場している銘柄から厳選した30社で構成された株価指数(株価過重指数)です。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、1896年に公表されてから120年以上の歴史のある株価指数です。
そして厳選された30銘柄で構成されるため、一般的な株価指数(TOPIXやS&P500など)と比較すると、銘柄数が少ないといった特徴があります。
業種
主要な業種は、「情報技術」「ヘルスケア」「金融」で半分以上を占めています。
そもそも30銘柄しか指数に採用していないため、分散性という点においてはやや偏りがあるということを知っておきましょう。
銘柄
そして組み入れ銘柄の30社は以下のとおりです。ほとんどが名前の知っている有名な企業であることが分かります。
S&P500と比較すると、Google・Amazonのハイテク銘柄がダウ・ジョーンズ工業株価平均には含まれていません。
今はやりのハイテクにも積極的に投資したいという場合には、S&P500やNASDAQ100指数に連動する投資信託を選ぶようにしましょう。
管理費用
管理費用は、1.1%と通常のインデックスファンドと比較するとかなり高いです。
これはインデックスに連動する投資信託とはいえ、3倍の値動きをするレバレッジ型の投資信託であるために管理費用が高くなっています。
一般的に、レバレッジ型の投資信託は管理費用が1%を超えることが多いです。
どれくらい管理費用が高いかを他の投資信託と比較してみます。
NASDAQ100指数に連動する「eMAXIS NASDAQ100インデックス」の管理費用は0.44%です。
S&P500に連動する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の管理費用は0.0968%とさらに格安です。
基準価額と純資産
基準価額と純資産は以下のとおりです。
設定日は2020年3月で、ちょうどコロナショックの最中に運用が開始しています。
運用開始から約1年半が経過し、基準価額は3.5倍以上に上昇しました。
もし仮に設定開始と同時に100万円投資していたら、今頃は350万円以上になっているわけです。
一方でレバレッジをしていない場合は、図中の「参考指数」の値動きになります。
レバレッジをしていなくとも1.5倍には成長していますが、レバレッジの基準価額と比較すると横ばいに見えてしまうくらい圧倒的なリターン差が生じました。
今年に入ってからは昨年度ほど基準価額が上昇していないために、純資産額も増加していないのでしょう。
そして純資産額は40億円前後で推移しています。
10年前に240万円投資していたら○○○○万円以上
レバレッジの破壊力を示している興味深いグラフが、大和アセットマネジメントのHPにあったので紹介します。
2011年10月末に元本240万円をNYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)に投資した場合、レバレッジの有無でどれくらいの差が生じているかシミュレーションしたものです。
レバレッジ3倍は、値動きが半端じゃないことが一目でわかります。
ベンチマーク(参考指数)との連動
レバレッジ型の投資信託も、ベンチマーク(参考指数)と同じ値動きをするかどうかが重要です。
しかし、レバレッジ型の場合はベンチマークの○倍(今回だと3倍)の連動を目指すことになりますが、実際のところはどうなのでしょう。
過去1年間のリターン(騰落率)で比べると、ベンチマーク(参考指数)の約3倍のリターンが得られています。
そのため、この投資信託が目指している運用「ダウ・ジョーンズ工業株価平均の値動きの3倍に連動する投資成果」は達成しているというわけです。
ところが、設定来のリターンは263.2%に対してベンチマーク(参考指数)は65.1%と4倍の差があります。
3倍レバレッジのため基本的には3倍のリターンになるはずですが、4倍になったのはどういうことなのでしょうか。
これはレバレッジ投資信託の基準価額のしくみが関係しています。
レバレッジ投資信託の基準価額のしくみ
レバレッジ投資信託の基準価額について、大まかな傾向を解説します。
大和アセットマネジメントのHPにレバレッジ投資信託の基準価額について分かりやすい図があったので、こちらをみてください。
ベンチマークが100から120に上昇した場合、レバレッジ無しであればそこに至るまでの過程(一方的に上昇or上下しながら上昇など)に関係なく基準価額は120になります。
ところがレバレッジ投資信託では、ベンチマークが100から120に至るまでの過程(一方的に上昇or上下しながら上昇など)によって基準価額が変わってくるのです。
詳しい説明は省きますが、以下のような傾向があります。
- 一方的に上昇 → 3倍以上の上昇
- 上昇と下落を繰り返しながら上昇 → 3倍以下の上昇
- 一方的に下落 → 3倍以上の下落
つまり、3倍レバレッジだからといって、基準価額がベンチマークの3倍になるわけではないことに気を付けましょう。
この投資信託の設定来リターンが4倍になっているのは、ベンチマークが一方的に上昇し続けた結果、3倍以上のリターンになったためです。
まさにハイリスクハイリターンの投資信託と言えます。
管理人の投資状況
先日、20万円を投資した結果です。
投資して1か月も経過していませんが、値動きの激しさに驚いています。
その事実は投資する前から知っていてそれを覚悟で投資したにも関わらずです。
そのため、特に投資初心者が手っ取り早く儲けるためにレバレッジに手を出すのは注意が必要です。
値動きについていけず持ち続けるのは難しいと思います。
また、ハイリスクハイリターンでもあるため、余裕資金の範囲内で投資するのが良いでしょう。