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【充実の株主優待】文教堂グループホールディングスを解説【1万円で買える】

文教堂(9978)の投資情報

文教堂グループホールディングスは、本や文房具などを販売している文教堂を展開しています。

昔は本を買うには本屋さんに行く必要がありましたが、近年ではネット通販で本を買う人が多いのではないでしょうか。

そういった時代の流れもあり、実店舗を構える本屋さんは業績が厳しい状況になっていることが多いです。文教堂も例外ではありません。

株価も100円を割り込むなど低迷していますが、逆に言うと1万円で投資できる銘柄でもあります。

しかも、今年の9月に株主優待の拡充が発表されており、1万円で買える充実の優待銘柄という見方もできるでしょう。

そこで今回は、文教堂グループホールディングスの解説と株主優待を紹介していきます。

株価などの投資情報は以下のようになっています。

出典:マネックス証券銘柄スカウター

配当利回り

配当利回りは0%と配当金を出していません。配当金が出ないため、①株価上昇によるキャピタルゲイン ②株主優待のどちらかを目的とした投資になります。

ただ、後述するように業績も株価も低迷しているので、②株主優待狙いの個人投資家が投資する場合が多いのではないかと思います。

自己資本比率

自己資本比率は、会社の財務的な安定性(倒産のしにくさ)を表す指標です。

業種によって異なりますが、一般的に10%を下回ると危険水準と判定することが多く、10.2%の文教堂は危険水準にあるといえます。

倒産してしまうと株は紙切れになりますし、倒産寸前の会社の株価は徐々に下がっていくので注意が必要です。

株価

まずは直近6か月の株価チャートを見ていきます。

一時的に90円付近まで上昇する局面があったものの、現在では70円すら割り込んでしまう厳しい状況です。

9月には株主優待の拡充(QUOカードが選べるようになった)が発表されているので株価に良い影響がありそうなものですが、それでも株価は反応しませんでした。

出典: マネックス証券銘柄スカウター (6か月株価チャート)

次に10年株価チャートを見ていきます。

2015年に株価が600円を超えてからは下落と上昇を繰り返していましたが、2018年以降は下落トレンドに入ってしまいました。

出典: マネックス証券銘柄スカウター (10年株価チャート)

株主優待

文教堂は配当金が出ない代わりに、株主優待として文教堂の直営店舗で利用可能な割引優待カードがもらえます。

そしてつい先月株主優待の変更が発表されました。

出典:文教堂ホールディングス(https://www.bunkyodo.co.jp/

これまでは割引優待カードしかありませんでしたが、「割引優待カードまたはQUOカード」に変更されています。

割引優待カードは近所に文教堂があれば割引の恩恵を受けることができますが、そうでない場合には使い道がなく株主優待の魅力に欠ける内容でした。

QUOカードも選択できるようになったことで文教堂を利用することがない個人投資家にも投資してもらおうという狙いを感じます。

なお、公式のプレス発表では株主優待の変更理由について、「不採算店舗の閉店により、株主優待カードを利用できない株主が増えたため」としています。

株主への手厚い還元意識を感じつつも、不採算店舗の相次ぐ閉店が理由ということで業績への不安を感じさせる理由です。

ただ、現在の株価であれば1万円以内で100株投資でき、年に2回も300円分のQUOカードもらえるのはかなりの還元率です。

株価の上昇はあまり期待できない銘柄だと思いますが、近くに文教堂があったり実店舗型の本屋さんを応援したい、少額で株主優待目当ての株式投資を始めてみたいという場合には、投資を検討してみてもよいのではないでしょうか。

文教堂の決算

文教堂グループホールディングスの2021年8月期の決算を見ていきましょう。

売上高・利益

売上高と営業利益は10%以上減っています。これらが減っているというのは、お金を稼ぐ力が減り本業で利益が出ていないことを示しています。

売上高が低迷した理由は、市場自体が縮小傾向で特に定期刊行雑誌の販売が低迷している影響が大きいとのことでした。

出典:文教堂ホールディングス(https://www.bunkyodo.co.jp/

過去の売上高・利益

過去10期の売上高と利益です。これを見ることで株価が低迷している理由が分かります。

出典:マネックス証券銘柄スカウター

2012年から売上高(青)はほぼ毎年減少していることがわかります。ネット通販で本を買う人が多くなり、実店舗型の本屋である文教堂が苦戦を強いられるのは必然です。

そういった中でも、利益を何とか確保しています。不採算店舗の削減やコストの削減、文具販売の強化などの施策が効果的だったのでしょう。

ただ、こういったコスト削減には限界があるために、売上高を上げる工夫が必要です。

本の売上が低迷している今、本以外に売上高に貢献できるものを見つけなければなりませんが、そこで苦戦しているように思います。

そして本のネット通販以外にも本の電子書籍化や定額制のサービスも急速に普及しているため、実店舗型の本屋さんはほとんど消えてしまうかもしれません。

まとめ

今回は、文教堂グループホールディングスの解説をしました。

業績は非常に厳しく、株価も低迷しています。これから更に本のネット通販や電子書籍化が進んでいくため、実店舗型の本屋さんは正念場といったところでしょう。

ただ株主優待が変更され、割引優待カード以外にQUOカードも選べるようになったのは選択肢の幅が広がって良かったと思います。

近くに文教堂がある、実店舗型の本屋さんを応援したい、少額で株主優待目当ての株式投資を始めてみたいという場合には、投資を検討してみてもよいでしょう。