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【配当金増配】エクセディの決算を解説【株主優待】

個人投資家には、高配当かつ株主優待(カタログギフト)が優れていることから人気のある銘柄「エクセディ」の決算を解説します。

それ以外にも、事業内容や配当金の実績、投資状況をまとめましたので投資の参考にしてください。

エクセディとは?

事業内容

エクセディは、クラッチやトルクコンバータなどの自動車部品を製造するメーカーです。

本社は大阪府寝屋川にあり、アイシン精機と業務提携しています。

エクセディの公式HPには、「駆動系部品のリーディングカンパニー」というキャッチコピーが掲げられていました。

自動車のみならず、産業用機械も含めた駆動部の部品を製造しいます。

それでは、エクセディの事業を確認していきましょう。

出典:エクセディ 2020年度決算説明資料(https://www.exedy.com/ja/

事業は「AT関連」「MT関連」「その他」の3つがあります。

このうちAT関連が売上高が最も高く、全体の68%を占めています。

ただ、3事業とも基本的にはクラッチやトルクコンバータなどの駆動系部品を扱っているため、素人目にはどれも同じような事業に見えてしまいます。

配当金 

2022年3月期の配当金は、90円(100株で9000円)になることが発表されました。

期末の配当金は40円(100株で4000円)の予想でしたが、50円(100株で5000円)になります。

年間配当金は90円(100株で9000円)と、2021年3月期の60円(100株で6000円)から大幅な増配です。

2022年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響も徐々に薄れてきたこともあり、配当金を増配できています。

それでは、過去10年間の配当金の推移を確認していきましょう。

なお、2022年3月期の配当金は80円で表記されていますが、実際には90円です。

出典:マネックス証券(銘柄スカウター)

過去の推移を見てみると、配当金は増配傾向にはありましたが、2018年から2020年にかけての90円が最大であったことがわかります。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2021年は60円と大幅に減配しています。

そこから2022年に90円まで増配ということで以前の配当金水準に回復したということです。

2023年の配当金予想は90円と、配当金は維持される方針が示されています。

株主優待

エクセディに投資する個人投資家には、株主優待目当ての人もいるでしょう。

エクセディの株主優待は、3000円相当のカタログギフトです。

このカタログギフトにどんな商品があるかは、過去に解説していますので参考にしてください。

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エクセディの株主優待は、昨年から継続保有の条件が追加されています。

そのため、1年以上の継続保有が条件なので注意が必要です。

出典:エクセディ公式HP (IR情報)

エクセディの決算(2022年3月期)

今回の決算のポイントは以下のとおりです。

●前年同期比で売上収益と利益が改善

配当金の増配

投資初心者にもわかりやすいように解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。

売上収益(売上高):2610億95百万円(前年同期比+14.8%)

売上収益(売上高)は、2610億95百万円(前年同期比+14.8%)と増収になりました。

出典:エクセディ(決算短信)

その理由は、「国・地域によっては新型コロナウイルスの感染症の再拡大によるロックダウン等があったが、経済活動は一定の回復を見せた」と発表しています。

2021年3月期は、まさに新型コロナウイルスの影響を最も大きく受けた時期です。

まだ完全には正常化していませんが、2022年3月期では新型コロナウイルスによる経済への影響も徐々に薄れてきて、エクセディの売上収益も増加しています。

売上収益(売上高)は、その企業が商品やサービスを販売してどれだけお金を稼いだかを表す指標です。

これが減るというのは、企業の稼ぐ力が弱くなったと言えます。

稼がないことには利益を生み出すことができないため、売上収益が増えているかは重要なことです。

過去5年間の売上収益は以下のとおりです。

出典:エクセディ(公式HP)

2022年3月期の売上収益は、2020年と同程度であることがわかります。

つまり、新型コロナウイルス感染症前の水準までは戻ってきています。

しかし、2018年と2019年の売上収益である約2800億円までは200億円足りないので、ここまで再び売上高を伸ばすことができるか注目です。

営業利益:183億28百万円(前年同期比+92.7%)

営業利益は、183億28百万円( 前年同期比+92.7% )と増益になりました。

出典:エクセディ(決算短信)

その理由は、「売上が回復したことや設備の稼働率向上、諸経費の削減」などです。

原材料の価格高騰や半導体不足、サプライチェーンの混乱などの影響もありましたが、増益で着地しています。

前年同期比で+92.7%と、いかに新型コロナウイルス感染症の苦しい状況から脱しつつあるかがわかります。

営業利益は、本業でどれくらい儲けているかを表す指標です。

これが黒字になっていれば本業で利益が出ている状態で、赤字だと本業で利益が出ていないことになります。

本業は、その企業の売上や利益の中心となる事業のことです。

ここで稼いだり利益が出ていなければ、長期的にはその企業の業績は悪化していきます。

過去5年間の営業収益は以下のとおりです。

出典:エクセディ(公式HP)

2022年3月期の営業利益は、2020年よりも多いことがわかります。

つまり、新型コロナウイルス感染症前の水準までは回復し、それを上回る水準です。

しかし、2018年と2019年の営業利益には届いておらず、ここ5年間の推移では営業利益が減少傾向といえます。

新型コロナウイルス感染症の影響は何とか乗り切ったと言えるので、今後は本業の利益を最低でも維持できるかがポイントになりそうです。

税引前利益:194億67百万円(前年同期比+114.7%増)

税引前利益は、194億67百万円(前年同期比+114.7%)と増益になりました。

その理由は、営業利益と同じで 「売上が回復したことや設備の稼働率向上、諸経費の削減」などです。

本業の利益がそのまま税引前利益にも反映されています。

出典:エクセディ(決算短信)

税引前利益とは、法人税等の税金を支払う前の利益のことです。

臨時的な要因による損益を反映させた利益のことで、企業としてどれくらいの利益を確保したか分かる指標になります。

過去5年間の税引前利益は以下のとおりです。

出典:エクセディ(公式HP)

2022年3月期の税引前利益は、2019年・2020年よりも多いことがわかります。

つまり、新型コロナウイルス感染症前の水準までは回復しています。

しかし、2018年の税引前利益と比較すると減少しています。

2018年の売上収益まで上げない限り、この利益水準まで戻すことは難しいでしょう。

当期利益:138億22百万円(前年同期比+127.2%増)

当期利益は、138億22百万円(前年同期比+127.2%)と増益になりました。

当期利益とは、法人税等の税金を支払った後の最終的な利益のことです。

この金額が成長しているかどうかが最も重要になってきます。

株主に支払われる配当金は、当期利益から捻出されるため、配当金が減配・増配されるかはこの数値を見ることである程度の予想は可能です。

過去5年間の当期利益は以下のとおりです。

出典:エクセディ(公式HP)

2022年3月期の当期利益は、2019年と同程度です。新型コロナウイルス感染症前の水準までは回復しています。

そして、2018年の当期利益と比較すると減少しています。

当期利益は配当金の原資になるため、これが減ってしまうと配当金の減配や株主優待の改悪につながります。

配当性向や財務状況を考慮すると、当期利益が現状の水準を維持されれば問題ないので、今後も維持できるか注意が必要です。

今後の見通し

これまで2022年3月期の決算数値について確認してきましたが、今後の見通しを解説していきます。

まとめると以下のとおりです。

今後の見通し
  1. 中国における新型コロナウイルスの再拡大およびロックダウン
  2. ロシアによるウクライナ侵攻及びロシアに対する経済制裁
  3. 日米金利差の拡大による急激な円安
  4. 部品や原材料の価格および物流費の高騰

今後の見通しで懸念されることが、大きく分けて4つ記載がありました。

この中で気になるのが、急激な円安部品や原材料費等の高騰です。

これまでは、設備の稼働率向上や諸経費の削減などで利益を確保してきましたが、円安および世界的な物価の高騰(インフレ)の影響がどれくらい業績に影響を及ぼすか見極めは難しいでしょう。

そして先行き不透明な状況の中、2023年3月期の業績予想が出ています。

2023年3月期の売上収益は 3,000億円(+14.9%)、営業利益 185億円(+ 0.9%)、税引前利益 180億円(-7.5%)、当期利益 120億円(-3.8%)です。

売上収益は増加予想ではありますが、利益は圧迫されて減少する見込みになります。

このあたりは今後の見通しで触れた4つの事象の動向次第であるため、状況を注視していく必要があります。

エクセディの投資状況

評価損益  

それでは、エクセディの評価損益を紹介します。

エクセディは100株保有しており、平均取得価額は1364円です。

現在の株価は1552円であるため、+18800円(+13.78)の含み益になっています。

配当金を目的に投資したこともありしばらくは売却する予定はありません。

また、過去5年間の売上収益や利益を見てわかったように、急激な業績の拡大を見込むことはできないことから、そもそも株価の上昇はそれほど期待できないです。

配当金

次に、エクセディからもらった配当金を紹介します。

2021年1月に投資したこともあり、現在までに2回の配当金をいただいています。

過去2回の配当金で合計7000円です。そして6月末には5000円の配当金をもらえる予定になっています。

さらに、年に1回は株主優待のカタログギフト(3000円相当)があります。

13万6400円の投資額で、配当金9000円と株主優待3000円相当をもらうことができるので、総合利回りは「8.8%」とかなり高いです。

先ほども触れたように株価の上昇は期待できないため、長期で株を保有して「配当金と株主優待をもらい続ける投資法」を継続します。

まとめ

エクセディの決算が発表されました。

前年同期と比較して売上収益や利益が改善し、配当金の増配が決定しました。

売上収益や利益が増加した理由としては、経済活動が一定の回復を見せたことによる売り上げの増加、設備稼働率の向上・諸経費の削減による利益の増加です。

当期利益が増加したことにより、配当金の増配が確定しています。

しかし、今後も業績の拡大が継続することは難しく、株価の上昇は期待できません。

また、今後の見通しとしては不安定な経営環境が継続する予想もあり、新型コロナウイルス感染症の影響から脱したとしても気の抜けない展開が待っていそうです。

今後の見通し
  1. 中国における新型コロナウイルスの再拡大およびロックダウン
  2. ロシアによるウクライナ侵攻及びロシアに対する経済制裁
  3. 日米金利差の拡大による急激な円安
  4. 部品や原材料の価格および物流費の高騰

エクセディの投資方針としては、配当金と株主優待を目的に長期保有することを考えています。