前回の復習
さて、前回のまとめを復習してみましょう。
- 東証一部上場企業の全銘柄を対象とした株価指数
- 時価総額加重平均(ただし、浮動株を基準とする)
- 大型株の株価に影響されやすい ⇔小型株の株価に影響されにくい
- 構成比率の高い上位3銘柄で約9%を占める ⇔日経平均では約25%
前回の記事を読んでいない方は、下の記事も参考にしてください。
浮動株時価総額加重平均とは?
TOPIX(東証株価指数)は、東証一部上場企業の全銘柄を対象とした株価指数で、時価総額加重平均を用いて算出していることを解説しました。
ところがこの方法で計算してしまうと、企業間の株式の持ち合いによる時価総額の二重カウントが発生します。
そのため、現在では浮動株時価総額加重平均で算出することになっています。浮動株のみを対象として時価総額を計算しようというわけです。
浮動株の時価総額で評価している株価指数は、TOPIX以外にもS&P500やナスダック100指数などがあります。いずれも米国株の有名な指数です。
かつては単純に時価総額加重平均を用いた株価指数が多かったのですが、現在では浮動株を基準とした時価総額加重平均を用いた株価指数が主流となっています。
浮動株とは?
先程から浮動株という単語が出てきていますが、皆さんはご存じでしょうか。それでは浮動株について解説していきます。
浮動株とは、株式市場において流通する可能性の高い株式のことです。つまり、発行済み株式のうち、安定株主に保有されておらず、一般の投資家などが株式市場で売買できる株式をいいます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
株式市場において流通する可能性の高い株式とは、市場で実際に売買される可能性の高い株式になります。例えば、個人投資家や定期的に売買するトレーダーが保有している株などです。
一方で、市場で売買されにくい株式も一定数存在します。例えば、企業の創業者や役員などが大株主になっている場合は、通常は常時保有していることから市場で売買されにくい株式といえます。これを、特定株あるいは固定株といいます。
このように株式は、その売買の流動性に着目して「浮動株」と「固定株(特定株)」に分類することができます。
では、発行済み株式のうち浮動株が占める割合が高い場合や低い場合にどのような特徴があるか見ていきます。
浮動株の割合が高い(=浮動株が多い)ということは、市場で売買可能な株式が多いことを意味します。よって、仮に取引量が増加したとしても需要と供給のバランスが大きく崩れることは無く、株価変動が小さくなる傾向があります。
浮動株の割合が低い(=浮動株が少ない)ということは、市場で売買可能な株式が少ないことを意味します。よって、仮に取引量が増加したとすると需要と供給のバランスが大きく崩れてしまい、株価変動が大きくなる傾向があります。
TOPIXのまとめ
日経平均株価について2回に分けて説明してきました。これまでのことを簡単にまとめました。
- 東証一部上場企業の全銘柄を対象とした株価指数
- 時価総額加重平均(ただし、浮動株を基準とする)
- 大型株の株価に影響されやすい ⇔小型株の株価に影響されにくい
- 構成比率の高い上位3銘柄で約9%を占める ⇔日経平均では約25%
- 浮動株:市場で流通する可能性の高い株式
- 固定株(特定株):市場で流通する可能性の低い株式
- 浮動株の割合が高い:株価変動が小さくなる傾向
- 浮動株の割合が低い:株価変動が大きくなる傾向
今後も株価指数の解説をしていこうと思います。