投資信託でプロに運用を任せよう
証券口座の開設も無事に終わったら、実際に株式を買ってみましょう。とはいっても、どの会社の株式を買えばよいのかなと迷う方が多いと思います。そこでおすすめなのが、投資信託です。
投資信託とは、投資家から集めた資金をプロ(ファンドマネージャー)が運用する金融商品のことです。では、投資信託の仕組みをもう少し具体的に解説していきましょう。
例えば、1000人の投資家が1万円ずつ投資信託に投資したとします。ファンドマネージャーは、投資家から集めた1000万円を元手に資産運用し、その利益を投資家に還元してくれるというものです。当然、無料で運用してくれるわけではない(信託報酬がかかる)のですが、投資の経験が浅い初心者にとっては、おすすめの投資手法だと思います。
では、ファンドマネージャーはどのように資産運用するかというと、投資信託説明書(目論見書)に沿った運用を行います。例えば、日経平均の値動きに連動する投資成果を目指す投資信託であれば、その値動きに連動するようにファンドマネージャーが運用してくれます。
投資信託説明書を読んでみよう
それでは、投資信託説明書を一緒に読んでみましょう。
ここで紹介するのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の投資信託説明書です。余談ですが、この投資信託は、Fund of the year 2020(投信ブロガーが支持する投資信託)でランキング1位を獲得した、人気の投資信託です。
話が脱線してしましましたが、下のような投資信託説明書が三菱UFJ国際投信のHPで閲覧することができます。
説明書を読み進めていくと、投資信託(ファンド)の目的・特色が書かれています。この投資信託の目的は、「日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざします」とあります。
つまり、この投資信託1つだけで、全世界に投資できる(先進国・新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果が得られる)ということです。
より正確に表現すると、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果をめざして運用するということですが、ここではざっくりと「全世界に投資できるんだ」くらいに考えてもらってよいと思います。
では、更に読み進めていくと、どの国にどのくらいの割合で投資するか説明されています。皆さんも下の図をよくみてください。
投資の目的と手段は合致するのか
オール・カントリーという単語が投資信託の名前に入っていますが、投資対象国は49か国で、しかもアメリカだけで58%に投資するということが分かります。「オール・カントリー」という単語の先入観と、アメリカが半分以上を占めている事実に大きなギャップがあったのではないでしょうか。
実は、ここがとても重要なポイントです。投資信託に限った話ではないのですが、投資をする上で「自分自身が何に投資をしているか」、「どういう成果を目指しているのか」「どういうシナリオを描いているか」を整理してください。
投資の目的を明確にすることで、その目的を達成する手段を適切に選んでいきましょう。ここが疎かになってはいけません。
先の例ですと、全世界に投資したいからなんとなく「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でいいやというのはNGです。
上述の投資信託に投資する人は、①世界は経済成長を続ける ②一攫千金を狙っていない ③長期投資で資産を拡大する というシナリオを持っているはずです。
ぜひ皆さんも、投資の目的は何かを明確にしておきましょう。そして、その目的を達成するためには、どのような投資をすれば良いかが見えてくるはずです。
話が長くなってしまいましたので、次回も投資信託の解説をしていきます。