今回は、米国のバリュー株に広く分散投資可能なETF「VTV」について解説します。
2022年は、バリュー株投資が注目されています。
ここ10年近く、米国市場はGAFAMを中心としたグロース株がけん引してきました。
しかし、2022年は金融緩和の縮小や利上げが迫っているため、グロース株に不利な市場環境になると予想されています。
つまり、バリュー株に投資妙味がある可能性が高いです。
こういった投資トレンドの転換期には、ポートフォリオを見直すことも重要でしょう。
VTVの基本情報
今回解説するのは、VTV(バンガード・米国バリューETF)です。
その名のとおり、米国のバリュー株を投資対象としています。
グロース株は含まないため、バリュー株に広く分散投資する際に便利なETFです。
信託報酬はわずか0.04%と、さすがはバンガード社といったところでしょう。
ベンチマーク | CRSP USラージキャップ・バリュー・インデックス |
信託報酬 | 0.04% |
設定日 | 2004年1月26日 |
分配金回数 | 4回/年 |
分配利回り | 2.13% |
VTVのセクター
金融が26.9%と一番大きな割合になっています。次にヘルスケア、工業と続きます。
「金融」「ヘルスケア」「工業」の3セクターで半分以上を占めます。
バリュー株で構成されたETFということもあり、渋めのセクターです。
VTVの組入銘柄
上位10銘柄を見ていくと、「バークシャー・ハサウェイ」「JPモルガン」「ジョンソン&ジョンソン」「エクソンモービル」「ファイザー」など米国の大企業が勢ぞろいしています。
GAFAMのような派手さはないですが、いかにもバリュー株という無骨な企業で構成されたETFであると改めて実感します。
VTVの分配金
年に4回分配金が支払いされます。年間で約3ドルの分配金です。
分配利回りは2.13%と高配当ではありませんが、株価の上昇も期待できるのでトータルのリターンはもっと高くなります。
より高い分配金を求める場合には、HDVやSPYDが選択肢に入ってくるでしょう。
VTVのリターン
直近5年のリターン推移
直近5年のリターンは、きれいな右肩上がりです。
さすがに2020年3月のコロナショックでは暴落しましたが、その後は順調に回復して高値を更新しています。
過去5年の平均リターンは約12%と安定した成長です。
VTV(バリュー) vs VUG(グロース)
VTVとVUGの比較をします。VUGは、VTVのグロース版ETFです。
つまり、VTVとVUGを比較することでバリューとグロースのどちらがパフォーマンスが良かったか分かります。
直近5年のリターン比較 VTV vs VUG
では、直近5年の比較をします。
この5年間はグロース株の時代だったこともあり、VTV vs VUGはVUGの圧勝です。
VTVも順調に上昇していますが、VUGと比較するとなだらかに見えます。
直近1年のリターン比較 VTV vs VUG
次に、直近1年の比較をします。
ここ1年間では、VTVとVUGのパフォーマンスがほぼ同じです。
思い返せば、2021年当初はバリュー株がグロース株をアウトパフォームしていました。
しかし、途中からグロース株に追いつかれてしまいました。
はたして2022年はバリュー株の時代になるのか。それともグロースの流れは止まらないのか。注目していきたいところです。
まとめ
VTV(バンガード・米国バリューETF)を解説しました。
2022年は、バリュー株投資が注目されています。
はたしてグロース株からのトレンド転換が進むのか、それともバリュー株の時代が到来するのか。
バリュー株に投資する際には、VTVで広く分散投資するのも1つの戦略になりそうです。